それぞれの化学物質法規制のまとめに入りきらなかった情報を、コラムに記載します。

コラム①:EUにおける条約・規則・指令の違い

  • EUの法体系 ⇒ 一次法、二次法、判例の3種類があります。
    • 一次法 ⇒ 条約
    • 二次法 ⇒ 条約に法的根拠を持ち、そこから派生する法。規則(Regulation)、指令(Directive)、決定(Decision)、勧告(Recommendation )、意見(Opinion)がある。
  • 本HPで述べている「RoHS指令」 「REACH規則」の位置づけは…
    • 条約(一次法) ⇒ EU加盟国政府間による直接交渉で内容が合意されるもの。例)ニース条約、アムステルダム条約、ローマ条約
    • 規則(二次法) ⇒ EUの加盟国に対して統一されたルールが適用される。例)REACH規則
    • 指令(二次法) ⇒ EUの加盟国がそれぞれの国の国内法で制定する。例)RoHS指令、WEEE指令

【補足】指令に関して
指令がEC条約第95条あるいは第175条のいずれに準拠するかにより、内容が異なってくる。

  1. (1)EC条約第95条( = EU運営条約114条)
    • EU域内で単一市場の形成を目的とする場合に採択される。
      要求事項は加盟国で統一されている。
      RoHS指令はEC条約第95条に準拠しており、特定有害物質や最大許容濃度等は、全加盟国で同一。
  2. (2)EC条約第175条( = EU運営条約192条)
    • 環境保全そのものに目的がある場合に採択される。
      加盟各国の事情に合わせて指令より厳しい基準を国内法で制定することが可能。
      WEEE指令はEC条約第175条に準拠しているため、各加盟国が制定する国内法には差異がある。

コラム②:EUにおける違反事例

EUでは法規制不適合製品が発見された場合、「Safety Gate」という情報共有ネットワークがあり、違反事例として公開されます。ブランド名、製品の写真、リスクの詳細が記載され、市場からの製品の撤廃、リコール、販売中止等の措置が命じられます。しっかりと製品含有化学物質の情報を把握し、法規制に対応することが必要です。

<参考>

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