電力ネットワークとは

  1. トップページ
  2. エネルギーと電機
  3. 電力ネットワークとは

電力ネットワーク(電力系統)とは、人間の血液が大動脈から毛細血管を伝わり、全身の細胞まで行き渡るように、電気も日本全国に血管のように張り巡らせて運ばれます。
大容量の電力を送る基幹送電線(基幹系統)は、まさしく電力ネットワークの大動脈であり、発電所でつくられた電気を効率よく日本全体に運んでいます。

出典:電力広域的運営推進機関 かいせつ電力ネットワーク 電力ネットワークの仕組み

日本の電力系統は効率的に電気を運ぶため、特別高圧、高圧、低圧と電圧を変えながら電源(発電所)と需要(消費者)を結んでいます。将来、需要が増えれば、それに合わせて新しく送電線や配電線を設置し、電源が増えた場合も同じように送電線や配電線につなぐための線(アクセス線)を設置していきます。

送電・変電とは

電力流通経路の各箇所にある機器を表すイメージ図は以下の通りです。

電気は常に上(高い電圧側)から下(低い電圧側)に流れるのではなく、発電所の接続場所によって、需要より発電が多い場合には下から上に流れ、他の需要地域に電気を送っています。

出典:電力広域的運営推進機関 かいせつ電力ネットワーク 電力ネットワークの仕組み

送電線や変圧器などの送変電設備に流すことのできる電気の限度は主に容量(kW)で管理されています。
新しい電源(発電所)が電力系統へ接続(系統アクセス)すること等によって、送変電設備を流れる電気が送変電設備の容量を上回るような場合には、送電線や変圧器を新設したり容量の大きい設備に変えるなどの設備の増強工事を行ったり、送変電設備の容量内に収まるように電源の出力を制御することで対応しています。

出典:電力広域的運営推進機関 かいせつ電力ネットワーク 電力ネットワークの仕組み

電力基幹系統

電力系統用監視制御システム

計算機システム

電気は大量に蓄えることができない性質のものであり、高品質な電力供給を維持するためには、常に電気の需給バランスを保たなければなりません。また、変化する電気の消費に対して電圧や潮流を適正に制御できること、電気の流れ(潮流)を変えて送電線や変圧器などの電力流通設備を点検・修繕できること、電力流通設備に万が一の事故が発生した時に対応できることを考慮した運用計画を立案し、遠方から制御するための電力系統監視制御システムが必要となります。

電力系統保護制御システム

落雷や暴風雨などが要因となり電力系統に発生した絶縁破壊(以下、系統事故)の区間を迅速・的確に検出し、電源設備などの損傷を軽減するとともに電力系統の安全運用を支援するのが電力系統保護・制御システムです。 24時間365日、休むことなく電力系統を監視制御し、保護し続ける重要なシステムです。

変電機器

変電所内の変電機器は、主に以下の機器で構成されます。

  1. 変圧器
    変電所の施設の中核装置ともいえるのが、変圧器(トランス)です。発電所から送られた電気の電圧を降圧・昇圧をする役目があります。
    送電は主に三相交流(3つの単相交流を組み合わせたもの)で行うため、変電所でも三相交流の変圧器を用いています。
  2. 遮断器
    遮断機は、送電の停止や電気の切り替えを行うための装置です。変電所では、落雷による事故が発生する場合があります。事故発生時は遮断器を用いて送電を停止させ、当該区間の送電線を電気系統から切り離します。
    落雷から遮断までにかかる時間はわずか0.2秒ほどです。遮断器はコンピューターによって制御されており、突然の落雷や地絡事故に迅速に対応します。
    遮断器の種類には、油遮断器・磁気遮断器・空気遮断器・真空遮断器・ガス遮断器などがあります。
  3. 断路器
    断路器は、電路の開閉を行う装置です。送電線や変圧器、遮断器などの保守点検を実施する際は、断路器で電路の切り離しを行ってから点検作業を行います。
    遮断器と違って、断路器には消弧能力がないため、「負荷電流が流れていない充電状態の電路」のみの開閉が可能です。負荷電流が流れている電路を開閉した場合、アークが発生して人命事故につながる恐れがあります。
  4. 計器用変成器
    計器用変成器は、計器用変圧器(VT)と変流器(CT)の総称です。計器(計測・測定する機器類)で電気系統の電圧・電流を測定するためには、低電圧・小電流を小電圧・低電流に変換する必要があります。
    • 計器用変圧器(Voltage Transformer):交流回路の電圧を計器や継電器に接続できる電圧に変換する。
    • 変流器(Current Transformer):交流回路の電流を計器や継電器に接続できる電流に変換する。

電力系統用蓄電システム

電力システムにおける「調整力」は、LNGを主とした火力発電に大きく依存していますが、今後再生可能エネルギーの導入拡大、CO2排出抑制面での状況変化などを考慮した場合、これを代替する調整力として「蓄電システム」が必要不可欠な要素となります。
「電力系統用蓄電システム」とは、需給調整・調整力提供・地域レジリエンス電源など、電力システムの運用に必要な機能提供を主目的に設置される蓄電池を適用した蓄電システムです。

電池の種類は以下の通りです。

  1. リチウムイオン電池
    リチウムイオン電池は、鉱物であるリチウムを利用した電池で、正極と負極の間を
    リチウムイオンが移動して、充放電を行う2次電池のことです。
    2次電池とは充電すると再使用できる電池で、他にニッケル・水素電池、ニッケル・カドミウム電池(ニカド電池)、鉛蓄電池などがあります。
    リチウムイオン電池は環境面にも配慮された電池であり、カドミウムや鉛などの有害な物質を材料とする2次電池もありますが、リチウムイオン電池はそうした有害物質を含まないため、環境にも良い電池としても注目されています。
    また、化学的な変化を利用しないため、副反応による劣化がなく長期間安定した性能を維持できるという長所もあります。
  2. ナトリウム硫黄電池(NaS電池)
    ナトリウム硫黄電池とは、負極にナトリウムを、正極に硫黄を、電解質にβ-アルミナを利用した高温作動型の二次電池です。NaS電池(なすでんち)とも呼ばれます。特に、大規模の電力貯蔵用に適用され、昼夜の負荷平準や風力発電/太陽光発電と組み合わせて離島での安定した電力供給などに用いられています。
  3. レドックスフロー電池  
    レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う2次電池です。電極や電解液の劣化がほとんどなく長寿命であり、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性が高く、電力系統用の蓄電池として適した特性を持っています。このため、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を拡大していく上で必要となる系統の安定化技術として期待されています。
  4. 鉛蓄電池
    鉛蓄電池とは、鉛を用いた2次電池のことです。鉛蓄電池の仕組みとしては、大きな箱の中を希硫酸という電気を通しやすい液体(電解液)で満たし、その中に正極(二酸化鉛)と負極(海面上の鉛)を入れることで、希硫酸と鉛が化学反応を起こし充電と放電を行う電池です。

JEMAの取組み(CN2050に向けて)

2050 年カーボンニュートラルを実現に向け、今後太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーの導入拡大が見込まれ、電力系統における短周期の調整力および慣性力の不足、電源の偏在化等が課題となっています。また、電源の分散配置化が進むことから、需要側配置の蓄電池を含め電力需給一体となって電力系統を安定的に運用するため、エネルギーマネジメントシステムの高度化が求められています。
JEMAは、交直流変換装置、蓄電池を含む送変電機器、系統監視・制御保護システムの側面から、電力システムのカーボンニュートラル化の実現を目指すと共に、高経年設備のリプレース促進等、電力の安定供給確保に向けて意見を発信していきます。

JEMA「2050 CN 実現へのロードマップ」:電力送配電分野

関連サイト

  1. トップページ
  2. エネルギーと電機
  3. 電力ネットワークとは
ページトップへ