わが国のエネルギー政策の動向
わが国は、2020年10月「2050年カーボンニュートラルを目指す」ことを宣言、翌2021年4月に表明した温室効果ガス削減目標(2030年度の2013年度比で46%削減)を実現する2030年度のエネルギーミックスを盛り込んで、2021年10月に「第6次エネルギー基本計画」を策定しました。
しかし2022年2月のロシアによるウクライナ侵略によりエネルギー価格が高騰なするなど世界のエネルギー情勢が一変しました。また、国内では、電力需給ひっ迫警報が発令、今後、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)の進展による電力需要の増加が見込まれるなど、エネルギーの安定供給が課題となっています。
このような情勢の変化を踏まえ、政府においては、GXを通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するべく、GX実行会議などによる議論を踏まえ、2023年2月「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。
「GX実現に向けた基本方針」では、
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エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組
- 省エネ支援強化や非化石エネルギー転換の目安の提示等による徹底した省エネの推進
- 送電網の整備や地域と共生した再エネ導入による再エネの主力電源化
- 安全確保を大前提とした原子力の活用/廃炉の推進
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「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行
- GX経済移行債を活用した今後10年間で20兆円規模の先行投資支援
- 成長志向型カーボンプライシング(CP)によるGXインセンティブ
- 「GX推進機構」の設立と新たな金融手法の活用
等が示されています。
2023年5月には「GX実現に向けた基本方針」に基づいた「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(GX推進法)と「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(GX脱炭素電源法)が、第211回通常国会において成立しました。2023年12月には、GX投資の加速に向けて、GX移行債を活用した重点分野における「分野別投資戦略」をとりまとめ、今後10年程度のGXの方向性と投資促進策が示されました。
こうした第6次エネルギー基本計画策定以降の状況変化を踏まえ、政府においては、2025年2月に、新たなエネルギー政策の将来像を示すため、「第7次エネルギー基本計画」を閣議決定しました。本計画では、S+3Eの原則の下、エネルギー安定供給の確保に向けた投資を促進する観点から、2040年やその先のカーボンニュートラル実現に向けたエネルギー需給構造を視野に入れつつ、今後取り組むべき政策課題や対応の方向性をまとめています。また、同時に「GX2040ビジョン」「地球温暖化対策計画」を閣議決定し、これらを一体的にとりまとめることで、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を同時に進めていくこととしています。
JEMAの取組み
電機業界は、「電気を作る領域」「電気を使う領域」「電気を送る領域」など幅広い分野において、製品・サービスを提供しており、これら全ての領域で、カーボンニュートラル実現に貢献することができます。
2050 年カーボンニュートラル実現のためには、まず2050 年のあるべき姿を想定し、そこからバックキャストした長期のロードマップが必要であり、現在保有する技術の将来展開予想ではなく、2030 年、2040 年の断面でどのような技術が必要かを想定し、それを実現するためのロードマップを策定しました。
今後、このロードマップに基づいて、中長期的な視点で、電力・エネルギーの脱炭素化、電化・電動化、徹底した省エネ化等に向けた提言や技術イノベーションを推し進めるとともに、グリーン社会実現に向けて、会員企業、官庁、電力事業者などあらゆるステークホルダーと積極的に議論し、2050 年のカーボンニュートラル達成に向けて、JEMA事業計画に取り入れながら、検討を進めてまいります。
JEMAの主な提言活動
- 第7次エネルギー基本計画(案)およびGX2040ビジョン(案)に対する意見(2025年1月)
- エネルギー政策に関する「意見箱」へのJEMA意見提出(2024年9月)
- 第7次エネルギー基本計画へのJEMA提言(2024年7月)
- JEMA「2050CN実現へのロードマップ」~技術イノベーションと社会実装に向けて~(2022年8月)