HEMSとは

HEMSとは、Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)の略です。家庭内で使用しているエネルギーの使用量をモニター画面やスマートフォンで見える化するだけでなく、家電、電気設備を最適に制御するための管理システムです。

:出典:パナソニックホームページ「HEMS(ヘムス)って何?

最近では太陽光発電や高効率設備を導入した住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス:ZEH)の普及が進んでいますが、エネルギーの見える化・機器の最適制御の機能を備えたHEMSを導入することで、太陽光発電などで発電したクリーンエネルギーを自分の家で積極的に消費する暮らしを実現することが可能となります。電力価格の高騰不安や太陽光発電の売電価格単価の低減など近年の外部環境変化を考えると、今後HEMSを導入した自家消費型住宅の普及が進むことが期待されます。

今後、政府は2030年までに約5,000万戸にHEMS導入することを目指しています。
(出典:環境省:2020年度における地球温暖化対策計画の進捗状況)

現状のHEMSと将来のHEMSの姿

現在のHEMSの姿

現在のHEMSにおけるシステム構成はHEMSコントローラーをハブとして、住宅内の家電製品や住宅設備機器などが接続される構成になっています。このシステム構成は2019年の経済産業省エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会にて、当時各メーカーが提供していたサービス内容を踏まえてJEMAが「外部システムとの連携におけるHEMSの定義」として報告した内容を簡単な構成図にまとめたものです。HEMSコントローラーが住宅内の機器を管理・制御することでエネルギーの一元管理を可能とし、VPPサービスなどの外部システム(各種サービスクラウド)との連携も実現できる構成になっています。各住宅に導入された太陽光発電、定置型蓄電池、燃料電池、電気自動車用充放電設備、給湯機、空調・照明等家電製品を集中管理・連携制御することにより、住宅内のエネルギー(発電、貯蔵、消費)の最適活用が可能となります。

現在のHEMSの姿

将来のHEMSの姿

一方、家電製品分野や住宅設備機器分野におけるIoT化の動向として、各機器を直接機器管理クラウドに接続することにより、コントローラーなどの装置を追加しなくても、利用者の利便性向上ができる製品の普及が加速してきています。このような状況から、今後は住宅内「すべて」のIoT機器に対する管理・制御を一元管理できることが重要になってくるため、将来のHEMSの姿として以下のようなシステム構成例の実現に向けた取り組みを各種業界団体や各メーカーが連携して検討を進めています。HEMSコントローラーをハブとしたシステムだけではなく、直接クラウドに接続される各種IoT機器システムもHEMSの構成に組み込むことにより、更なるエネルギーの最適活用、利用者の利便性向上が期待され、住宅内のIoT機器が収集するデータを活用した新たなサービスの創出への貢献も期待されております。

将来のHEMSの姿

また、現行の第一世代スマートメーターの有効期間(10年間)満了に伴い、2025年度から順次新たな「次世代スマートメーター」への置き換えが計画されています。電力DX推進に向けたツールである次世代スマートメーターとの連携により、「電力レジリエンスの強化」、「系統全体の需給安定化」、「再エネ普及・脱炭素化」、「効率化・需要家利益の向上」と言った社会便益への貢献も期待されています。

HEMSに対するJEMAの取り組み

これまでの取り組みについて

JEMAでは、2015 年度にHEMS専門委員会(2021 年度よりIoT・スマートエネルギー専門委員会に改名)を設立して、HEMS 及び関連システムのビジネス構築や普及拡大に向けて、国や関連団体と連携した活動を推進して来ました。

今までの主な活動内容として、

  1. HEMSの認知・普及向上に向けた活動
    HEMSの普及が進まない一つの要因として、一般消費者からHEMSに対するメリットが充分に理解されていない事があります。
    HEMSは電力を『見える化』するだけではなく、他のメリットについても幅広く認知してもらえるように、JEMA会員企業と共にHEMSの活用事例を取り纏め、『IoT住宅におけるHEMSの役割』として弊会のウェブサイトに公開しました。
  2. HEMSと機器の接続トラブルの低減に向けた活動
    HEMSは家庭内の家電機器や太陽光発電、蓄電池、給湯器などのエネルギー機器を接続し、情報の取得やコントロールを行う事が出来ます。ECHONET Lite規格により共通化された通信プロトコルをHEMSと機器に実装する事で、様々なメーカーの機器をHEMSに接続する事が出来ます。しかし、HEMSと機器間を接続するには、ルーターなどのネットワーク機器や情報通信機器、インターネット接続など多岐にわたる機器接続や設定が必要となり幅広い知識が求められ、システム構築やトラブル発生時の解決が難しいという課題があります。
    JEMAでは、HEMSと機器が通信接続を行う際のトラブルを防ぐ事ができるように、『相互接続における情報公開のためのガイドライン』と『HEMSにおけるトラブルシュートとトラブル未然防止のための事例集』を弊会のウェブサイトに公開しました。
  3. HEMSによる効果算出方法を業界内で統一するための活動
    HEMSが自動的にコントロールを行う事で、太陽光パネルにより発電した電力を天候の状況や家の電力の使用状況に応じて、蓄電池や給湯器に電力を効率よくシフトして、太陽光発電の自家消費電力量を向上させる事が出来ます。
    このHEMSのコントロールによりシフトして蓄えた電力量を、HEMSにより自家消費電力量を向上させた効果として扱い、算出を行うための計算方法について業界の中で統一を行うために『ルール』を策定しました。今後、弊会のウェブサイトで『ルール』の公開を行う予定です。

これからの取り組みについて

より良い未来を次の世代に残すためにも、深刻となっている地球温暖化への対策を行う必要があります。CO2排出を抑えるために、2050年にカーボンニュートラルを達成するには、アグリゲーションビジネスを普及拡大させ各需要家の電力を有効に活用する事が重要な一つの手段になります。
JEMAでは、HEMSを活用したアグリゲーションシステムを構築する上での課題やIoT機器がさまざまなシステム形態で接続され、新しいサービスが提供される中でHEMSとして取り組むべき課題について、会員企業、および関連団体と共に検討を行いHEMSの普及拡大に向けた活動を推進して行きます。

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