技能試験の必要性

技能試験は、ISO/IEC 17043(JIS Q 17043)で規定された、参加機関が行う試験の結果の信頼性を検証する客観的手段です。高電圧試験では、高電圧測定システムの測定性能、試験の実施手順、データの処理方法等のいずれもが適正でなければ適切な試験結果を得ることが困難ですが、技能試験に参加することで、自身の試験結果が適切なのかチェックすることができます。

JHILLが主催する高電圧技能試験では、参加機関は規定の試験手順にしたがって定められた期間内に高電圧試験を実施し、そのデータをJHILLに報告して頂きます。JHILLは、全ての参加機関から報告されたデータを統計的に処理し、参加機関それぞれに対してzスコアと呼ばれる指標値を報告します。参加機関は、zスコアから自身の試験結果に偏りがないかを知ることができます。参加機関の機関名は非公開ですので、試験結果から参加機関を特定することはできません。

高電圧試験に関して公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)からISO/IEC 17025(JIS Q 17025)による試験所認定を受審される場合は、このJHILL高電圧技能試験に参加することが認定を取得するための必須条件の一つとされています。

試験種別

高電圧技能試験の種類としては、下表に示す条件で気中ギャップのスパークオーバ電圧試験を行っていただきます。

実施年
予定

電圧種類

極性

電極形状

ギャップ長 d (mm)
太字部は必須

1

2018

交流電圧(AC) 

棒-平面(R-P)

100, 300, 500, 700, 900

棒-棒(R-R)

100, 300, 500, 700, 900

2

2020

雷インパルス(LI)

棒-平面(R-P)

200, 400, 600, 800, 1000

3

2022

直流電圧(DC) 

棒-平面(R-P)

100, 200, 300, 400, 500, 750

棒-棒(R-R)

100, 200, 300, 400, 500, 750

4

2024

開閉インパルス(SI)

棒-平面(R-P)

200, 400, 600, 800, 1000, 1500

5

2026

交流電圧(AC) 

棒-平面(R-P)

100, 300,500, 700, 900

棒-棒(R-R)

100, 300, 500, 700, 900

6

2028

雷インパルス(LI)

棒-平面(R-P)

100, 200, 300, 400, 500

7

2030

直流電圧(DC) 

棒-平面(R-P)

100, 150, 200, 250, 300

棒-棒(R-R)

100, 200, 300, 400, 500, 750

8

2032

開閉インパルス(SI)

棒-平面(R-P)

200, 400, 600, 800, 1000, 1500

※ 第3回までは実施済み

スケジュール

JHILLでは、原則、2年に1度、概ね次のスケジュールで高電圧技能試験を実施いたします。

9月      ご案内
10月    参加申し込み
11月~1月  試験
2月     データ集計
3月     中間報告
4月以降  最終報告

試験手順

高電圧技能試験に参加いただく機関には、申込み受付時に提供する手順書に従って試験を行い、結果を報告いただきます。
各参加機関のデータは、JHILLで整理し、報告書をお送りいたします。

参加費用

報告書提出後、1申込みごとに30,000円(税別)をお支払いいただきます。
ただし、教育機関は、無償で参加いただけます。

背景

公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)では、2002年から提供していた高電圧技能試験を、2014年を最後に終了することを2016年に決定されました。

これを受け、日本高電圧・インパルス試験所委員会(JHILL)では、JABが実施していた高電圧技能試験を継承することを決定いたしました。

JHILLで実施した高電圧技能試験の結果は、従来、JABで実施していた技能試験と同様に、JABにおける試験所認定の審査時にご活用いただけます。

なお、高電圧技能試験の結果は、JHILLからJABに提供するものではありません。

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