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FL-net に関するQ&A
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お問い合わせの多い質問とその回答 目次
仕様/開発に関して
- FL-netとは?
- FL-netとイーサネットの違いは?
- どうやってFL-netユニットを使用することができますか?
- プロトコルとは?またFL-netは、何というプロトコルをサポートしていますか?
- FL-netに通常のパソコンを接続できますか?
- FL-netを使用するシステムに特別なイーサネットの仕様が必要ですか?
- FL-netシステムを構築する上でどのケーブルを使うべきですか?
- 機器間通信に用いるケーブルのコネクタは、RJ45コネクタに限定していますか?
- FL-netのIPアドレスは、どのように設定しますか?
- FL-net対応機器の適合性・相互接続性はどのようになっていますか?
- 長い伝送距離で運用する場合
- FL-netに接続する機器
- FL-netを実装する場合に必要な環境(プロセッサ、OSなど)
- 異なる伝送速度の機器の混在
- スイッチングハブの使用
- クロスケーブルによる1対1接続
- FL-netの商標登録
- FL-netに関する基本特許
- ルータを経由した通信
- 汎用Ethernet通信とFL-net通信との混在
- IPアドレスのクラスC固定
- 同一LAN内での異なるネットワークアドレスの混在
- コモンメモリに二つの領域がある理由
- スイッチングHUBの多階層システム
- FL-netの設定パラメータ「最小許容フレーム間隔」の設定値
- サンプルプログラムの提供
認証試験に関して
お問い合わせの多い質問とその回答
仕様/開発に関して
- Q1. FL-netとは?
- A
1. FL-netは、プログラマブルコントローラ(PLC)や数値制御装置(CNC)などのコントローラを接続し、コントローラ間の制御データを高速に相互交換する産業用オープンネットワークです。ケーブルなどは、イーサネットと同じものを使用します。
- Q2. FL-netとイーサネットの違いは?
- A
2. イーサネットは、上位のコンピュータ、パソコンなどとコントローラを接続し、生産指示、実績収集など情報・制御用途のために使用します。また、FL-netは、コントローラ間の接続に使用し、高速な制御データ交換のために使用します。
一台のコントローラで、上位用のイーサネットとコントローラ間用のFL-netの両方を実装した場合には、ケーブルを間違って接続しないように充分注意してください。 - Q3. どうやってFL-netユニットを使用することができますか?
- A
3. FL-netユニットは、プログラマブルコントローラ(PLC)や数値制御装置(CNC)などのコントローラに実装し、局番号(ノード番号)とコモンメモリ(リンクレジスタとも呼ばれる)のリンク割付設定を行うだけで、コントローラ間のデータ送受信をサイクリックに行います。この場合PLCなどに特別な通信プログラムは不要です。またパソコンなどからのPLCなどのメモリや通信パラメータなどの読出し、書込みなどを行う場合もPLCなどに特別な通信プログラムは不要です。
ただし、コントローラ間相互で、メッセージ伝送を使用したデータ送受信を行う場合には、個々のコントローラに通信のためのプログラムが必要となります。 - Q4. プロトコルとは?またFL-netは、何というプロトコルをサポートしていますか?
- A
4. プロトコルとは、通信をする上で必要なルールです。
FL-netがサポートしているプロトコルには、UDP/IPとその上位層に位置するFL-net専用の"FAリンクプロトコル"を使用しています。
プロトコルの仕様は、JIS B 3521及びJEM 1479で規定されています。詳細は、規格・技術資料 を参照ください。 - Q5. FL-netに通常のパソコンを接続できますか?
- A
5. 接続可能です。
FL-netへの接続には、FL-netをサポートしたソフトウェアを使用するか、NIC(FL-netボード)を使用して頂く必要があります。
対応製品につきましては、JEMAのWEBサイトに掲載される認証機器一覧 を参照ください。なお、各製品の詳細につきましてはメーカにお問合せください。 - Q6. FL-netを使用するシステムに特別なイーサネットの仕様が必要ですか?
- A
6. いいえ FL-netシステムを構築するのにイーサネット(正式には、IEEE802.3規格準拠)を使用します。特別な仕様は、必要ありません。
- Q7. FL-netシステムを構築する上でどのケーブルを使うべきですか?
- A
7. 各システム構成に応じたイーサネットケーブル(UTPケーブル、STPケーブル、光ファイバケーブル、同軸ケーブル等)が使用できます。
市販機器は耐環境性能なども様々ですので、ご使用環境に合わせて機器選定を行ってください。また、必要に応じて、専門のネットワーク敷設業者などにご相談ください。 - Q8. 機器間通信に用いるケーブルのコネクタは、RJ45コネクタに限定していますか?
- A
8. 限定していません。
イーサネットのコネクタとしては、ANSI/TIA 1096-A準拠のRJ45コネクタが一般的ですが、これ以外にも、IEC 61076-3-124準拠のコネクタなども存在しており、ご使用環境に合わせて機器選定を行ってください。
また、必要に応じて、専門のネットワーク敷設業者などにご相談ください。 - Q9. FL-netのIPアドレスは、どのように設定しますか?
- A
9. FL-netのIPアドレスは、ネットワークアドレス:192.168.250.nホスト番号(ノード番号):1~254が標準になっています。ただしノード番号:250~254は、保守ツール用に予約されています。標準以外のアドレス範囲で動作するかどうかはベンダーの仕様によります。
- Q10. FL-net対応機器の適合性・相互接続性はどのようになっていますか?
- A
10. FL-netには、認証機関があり、適合性試験及び相互接続性試験を行っております。本試験に合格した機器には、認証書が発行されますので、安心してFL-net対応機器が使用できます。
- Q11. 長い伝送距離で運用する場合について
伝送距離が長い(約1km)場合、どのような運用を行えば良いのでしょうか? - A
11. FL-netでは、汎用イーサネット技術を使っているため、伝送距離を延ばす場合、光ケーブルを使うといった運用が可能です。ただし、メディア変換を行う場合、メディアコンバータによっては遅延が生じたり、内部メモリが少なく、データ抜けが生じるなどの障害の原因になることもありますので、十分なテストを行ってご使用ください。
必要に応じて、専門のネットワーク敷設業者などにご相談ください。 - Q12. FL-netで接続する機器について
FL-netはコントローラレベルのネットワークと言われていますが、FL-netに接続できる機器は、コントローラに限定されるのでしょうか? - A
12. FL-netは、コントローラレベルのネットワークとしての使用を主用途として想定しておりますが、ユーザの機器を限定することはありません。
一般的な用語として、コントローラとは、例えばプログラマブルコントローラ(PLC)や、パソコン、計算機などシステムを制御する機器を指します。
FL-netは、その仕様及び実装ガイドラインにより、機器がサポートすべき通信の仕様と性能を規定しています。それを満たす限り、機器としては、どのような機器でも接続することができます。 - Q13. FL-net機能の開発について
FL-net機能を実装する場合、どのような環境(プロセッサ、OSなど)が必要になるのでしょうか? - A
13. 上位層(アプリケーション)の負荷にもよりますが、FL-netのプロトコル自体は、性能の低いプロセッサに対しても実装できる仕様になっています。ただし、FL-netとして性能目標値を定義していますので、データの取りこぼしがなく性能目標値を満たす能力は必要です。
OSについては、FL-netのプロトコルが正しく動作するのであれば、どのようなOSでも問題ありません。汎用のOSを使用する必要もありませんし、OSを使用しなくても問題ありません。 - Q14. 異なる伝送速度の機器(例えば100Mbpsの機器と10Mbpsの機器)の混在は許可されているのでしょうか?
- A
14. 混在は可能です。
- Q15. スイッチングハブの使用は許可されていますか?
- A
15. 使用は可能です。異なる伝送速度の機器を混在するためには必須です。
- Q16. クロスケーブルによる1対1接続は許可されていますか?
- A
16. 可能です。ただし、可能というのは、プロトコル仕様上は可能であるという意味であり、各社対応機器が対応しているか否かは各機器の仕様によります。
- Q17. FL-netは商標登録されているのでしょうか?
- A
17. FL-netは、標準文字として登録第6161252号、ロゴとして登録第6161253号として商標登録しております。
- Q18. FL-net関連製品を開発するに当たり、FL-netに関する基本特許番号やパテントプール等での使用料を教えて頂けないでしょうか?
- A
18. FL-netに関する基本特許はありません。
- Q19. VPN装置やルータを利用した通信は可能ですか?
インターネットを介したメッセージ伝送やデータのやり取りはできますか? - A
19. FL-netはルーティング等のプロトコルを含んでいません。ネットワーク装置側の機能でVPNやVLANを構成することは可能です。
また、厳密な時間管理を行っているためレイテンシの大きなネットワークを経由する通信は十分な検証が必要とお考えください。 - Q20. HUB接続し、汎用イーサネットとFL-netを1つのLANポートでの通信は可能ですか?
- A
20. FL-net Ver.2.0においては、汎用イーサネット通信とFL-net通信を混在して使用できません。したがって、イーサネットとFL-netを1つのLANポートで通信することはできません。
FL-net Ver.3.0においては、汎用イーサネット通信とFL-net通信の混在が可能となりました。 - Q21. IPアドレスがクラスC固定に規定されているのは何故でしょうか?
- A
21. FL-netは24bitのネットワークアドレスによるIPブロードキャスト通信を行っています。したがって、便宜上クラスCを使用することを前提としています。
- Q22. 通信点数が増えたときの対策として、FL-netモジュールの枚数を増やし、同一LAN内にて異なるネットワークアドレスを混在させることは可能でしょうか?
- A
22. 同一ネットワークアドレスしか存在しないことを前提にプロトコル仕様が定められ、かつ、認証試験が行われております
異なるネットワークアドレスの機器が存在した場合の動作は、規定していないため、各機器の実装依存により動作が異なることが予想されます。したがって、そのような使用はお勧めできません。 - Q23. コモンメモリ領域として二つの領域(”領域1”と”領域2”)がありますが、この二つの領域はどのように使い分ければよいでしょうか?
また、FL-netでは2つの領域、領域1と領域2が定義されている理由は何でしょうか?
領域1と領域2というものは、FL-netのプロトコルのデータフレームで定義されたもので物理的なメモリを示してはいないのでしょうか? - A
23. 領域1と領域2の使用方法は、プロトコルで定義しておりません。
もともとの開発要求に国内PLCのもつPLC間通信がベースにありました。PLCの多くが「ビットデバイス」と「ワードデバイス」によるデータ共有機能を実現しており、これを適合させるために「領域1」「領域2」という2つの空間を定義することにしました。
ただし、FL-netでは機器ベンダが独自に使用方法をきめることができます。これは、PLC以外の機器でも対応できるようにするためです。
あくまでも論理的な空間であり、それをどの物理アドレス(RAM/ROM/HDD etc) に割り付けるかはベンダ依存です。 - Q24. FL-netにおいて、スイッチングHUBの多階層システムは可能ですか?
- A
24. ネットワーク構成/トポロジーに関して、FL-netでは規定していません。理論的には通信可能ですが、動作を保障(証)するものではありません。極端に遅い通信速度/遅延が発生するなど、構成により適さないものもありますので、使用環境での十分なテストが必要です。
必要に応じて、専門のネットワーク敷設業者などにご相談ください。 - Q25. FL-netの設定パラメータ「最小許容フレーム間隔」の設定値に目安はあるのでしょうか?
- A
25. 「最小許容フレーム間隔」とは、各ノードの処理能力に依存したパラメータであり、採用される機器等で規定されている推奨値があるものと想定されますので、そちらに従ってください。
推奨値がない、あるいは公開用ソースコードなどを使ってご自身で実装されている場合は、ご自身で数値を決める必要がありますが、その場合は対象機器や使用するパソコンがフレーム受信してから、FL-netの処理を行うまでの時間を考慮して設定することになります。 - Q26. FL-netの処理(上位層およびFAリンク層)の具体的な内容を把握したいのですが、サンプルプログラムを提供いただくことは可能でしょうか?
- A
26. FL-net Ver.3.0公開用ソースコードは、規格・技術資料のページ から無償でダウンロードが可能です。
公開用ソースコードは、開発の参考となるように提供するサンプルであって、動作に関して保証やサポートをするものではございません。
認証試験に関して
- Q1. 複数機器の登録 複数機器を申請する場合の会社登録料は?
- A
1. 会社として一度登録すれば良く、複数機器の認証申請の場合、再度の会社登録は不要です。
- Q2. FL-netを実装したボード(ユニット)の認証 FL-netを実装したボード又はユニットの認証申請は、どこまでが認証適用範囲ですか?
- A
2. 製品レベルでの認証が適用範囲の基本です。したがって、FL-netを実装したボードを単品販売する場合は、ボードレベルでの認証となります。ユニット本体と一体形の場合はユニット本体での認証取得が必要です。
- Q3. 試験設備の使用 認証試験の事前検証等で試験設備を借りることはできますか?
- A
3. 適合性試験に使用する認証ツールは、認証申請後に提供しています。
相互接続性試験の事前検証などを行う場合には、試験機関の設備を有料で使用することは可能です。 - Q4. 再試験時の試験内容と試験料 認証試験を申請した機器が認証試験で不合格になった場合、再度試験を実施するが、その時の試験内容と試験料はどうなりますか?
- A
4. 再度同様の試験を実施します。試験料は、再試験の追加試験料が適用されます。
適合性試験の再試験では、不合格の試験項目だけでなく、全ての項目の再試験を行うことになります - Q5. 認証機器の相互接続トラブル FL-net認証を取得した機器の相互接続でトラブルが生じた場合、その処置は?
- A
5. 実使用時でのトラブルには、振動や温度・湿度などの物理的環境条件及び電圧変動や外来ノイズなどの電気的環境条件など種々の要因が考えられます。さらには、FL-netとは無関係な機器固有の問題もあります。したがって、実使用時でのトラブルはユーザとメーカとの間での対応となります。
- Q6. 認証機器の公表方法 FL-net認証を取得した機器は、どのような手段で公表するのでしょうか?
- A
6. FL-net認証機器一覧を作成し、JEMAのホームページ 及びFL-netのパンフレット で情報提供しています。
- Q7. グループ(シリーズ)機器認証 FL-netを実装した機器のグループ単位での認証取得又は機器のシリーズ単位での認証取得は可能でしょうか?
- A
7. 認証申請は、販売製品レベルの申請となり、申請機器ごとに認証します。したがって、グループ単位又はシリーズ単位での認証は行いません。
- Q8. ノイズ試験 ノイズ試験や温度試験は実施するのでしょうか?
- A
8. ノイズ試験や温度・湿度試験などの環境試験は実施しません。このような試験は機器固有の機能・性能によるものであり、FL-netでの認証試験では対象外としています。
- Q9. 試験時の持込み機器 機器を認証申請した場合、プログラミングツールなどの持込みが必要でしょうか?
- A
9. 適合性試験において、上位層から被試験機に要求される内容を確認するために必要であれば、プログラミングツールなどの周辺機器を準備してください。
申請機器を動作させるための必要機器は事前に送付するなどの準備が必要です。例えば、パソコン用ボードが申請機器の場合にはパソコン本体が必要になります。
また、適合性試験及び相互接続性試験において、データのインクリメント処理を含むサイクリック折り返し試験を実施しますので、上位層アプリケーションの評価プログラムを事前に作成し、準備する必要があります。内容に関しては、次の規格に記載してあります
■ JEM 1480 FAコントロールネットワーク[FL-net]-試験仕様 - Q10. FL-netのHubなど周辺機器の認証は行っていますか?
- A
10. 認証試験は、プロトコルの適合を試験するものであり、周辺機器(ネットワーク構成要素)の認証試験は行っておりません。
産業用途で安心してお使いになるために、基本要件を満たしたHubの使用を推奨しています。産業用途のHubとしてFL-net 推進委員会へ仕様が提示された Hubをリスト で公開しておりますが、これらは特別に試験をパスしたものではありません。 - Q11. 認証申請前に認証ツールを入手することはできますか?
- A
11. 認証申請前の入手をご希望の場合、例外的にリンク先の書類 をご提出いただき、機能クラス3任意マスタ機能実装の場合の認証費用と同額をお支払いいただくことで提供いたしております。
この場合、初回の認証申請時の費用を免除いたしております。初回認証申請において、認証費用がより安価な機能クラスを選択した場合であっても、差額の払い戻しは行いません。 - Q12. FL-netの認証は、機器バージョンが変わると再度申請する必要がありますか?
同一ハードウェア及び同一ソフトウェアの製品に対しては試験料の割引がありますか? - A
12. FL-netの認証は、機器バージョンを特定して行うため、同一ハードウェア及び同一ソフトウェアの製品であっても、形式及び/又はバージョンが異なる場合には、認証取得が必要です。
機器バージョンが変わった製品(派生製品又は改訂製品)の場合、申請者がその責任においてFL-netの通信に影響がないと言明し、そのことを示す文書(技術見解書)を提出することによって、FL-net推進委員会及びFL-net認証委員会の承諾の上、適合性試験及び/又は相互接続性試験を省略することができます。その場合は、試験免除の場合の認証費用が適用されます。 - Q13. 認証なしで販売することは可能でしょうか?
- A
13. FL-net認証試験を受験し、合格した製品のみをFL-netの適合製品として認めます。
FL-netの対応製品としてリリースする場合には、必ず認証取得をお願い致します。
なお、認証を取得した製品では、FL-netの商標やロゴを使用することができます。
既に認証を取得せずに販売されている製品につきましても、接続トラブルを避けるため認証取得をお願い致します。
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