はじめに
スマートグリッドやスマートコミュニティをはじめ、"スマート"という言葉がマスコミ媒体に載らない日はないと言えるほど、「電気や熱の有効利用など、エネルギーのスマートな利用を通じた次世代社会の構築」に対する注目・期待は、国内外を問わず大変大きくなっています。特にわが国においては、再生可能エネルギーや蓄電池などの導入拡大が見込まれる中での分散型エネルギーリソースの効率運用や、2011年3月に発生した東日本大震災以降、電力の需給逼迫や災害時にも対応可能なエネルギーシステムの構築という観点からも注目されています。
スマートグリッド関連製品のメーカー団体である一般社団法人日本電機工業会(JEMA)では、2010年6月よりスマートグリッド委員会で活動を推進しています。
近年、多用される「スマート化」とは、情報通信技術(ICT)を利用した計測、制御、管理により経済性や安全性の向上を目指すものです。対象は、家電製品から社会全体まで幅広い適用が想定されており、主に電力、熱供給、上下水道、交通、通信などのインフラ分野及びその関連機器への適用が進められ、今後も拡大することが見込まれています。(図1参照)。
出典:NEDO資料をもとにJEMAで作成
【図1】 スマート化に関連した概念