冷媒
レイバイ

冷媒の役割

冷媒とは、熱エネルギーを運ぶ役割を果たす物質のことで、液体が気化するときに周囲の熱を奪うという性質を利用して温度をコントロールします。冷媒を使用する代表的な家電製品に、冷蔵庫やエアコンがあります。例えば冷蔵庫では、下図のように内部のパイプに閉じ込められた冷媒の液化と気化のサイクルを繰り返しながら、庫内を冷却しています。

冷媒の役割

冷蔵庫の冷媒の変遷

人工的に化学合成された物質であるフロンは、燃えにくい・化学的に安定・液化しやすい・人体への毒性が低いなどいう特長をもつことから、電子部品・金属部品などの洗浄剤、冷蔵庫などの冷媒やスプレー用ガスなどに幅広く使用されていました。

しかし、フロンによるオゾン層破壊の問題が認知されるようになり、国際的なオゾン層保護対策が行われるようになりました。

1985年には国際的な取り組みとして「オゾン層保護に関するウィーン条約」が合意され、1987年には具体的なフロンの規制を含んだ「モントリオール議定書」が採択されました。これにより先進国には1995年までに、オゾン層破壊力が大きな特定フロン(CFC)の生産全廃が義務付けられました。

そのため、冷蔵庫の冷媒として、CFCよりも相対的にオゾン層破壊力が小さい代替フロン(HCFC)やオゾン層破壊力がない代替フロン(HFC)が使用されるようになりました。ただし、代替フロン(HFC)は地球温暖化係数が大きいため、2002年にはイソブタンを使用した冷蔵庫が日本で発売されました。

“ノンフロン”冷蔵庫

冷媒と断熱材発泡剤にフロンを使用していない冷蔵庫のことを、ノンフロン冷蔵庫と呼んでいます。現在出荷されている家庭用冷蔵庫のほとんどは、オゾン層を破壊せず地球温暖化係数がCO2とほぼ同等の性質をもつイソブタン(冷媒)とシクロペンタン(断熱材発泡剤)を使用した、ノンフロン冷蔵庫となっています。

なお統一省エネラベルでは、ノンフロン冷蔵庫に対して「ノンフロンマーク」を表示することを定めています。

ノンフロン冷媒

フロンは回収・適正処理されています

過去に生産され現在も使用されている冷蔵庫や冷凍庫には、特定フロンや代替フロンが使用されているものがあります。また、エアコンやヒートポンプ式洗濯乾燥機には代替フロンが使用されています。

オゾン層保護や地球温暖化防止のために、製品が使用済みになった時に、それらのフロンは家電リサイクル法に基づいて家電リサイクルプラントで回収され、処理業者などで適正処理されています。