製品含有化学物質の情報伝達について
なぜ製品含有化学物質の情報伝達が必要なのか?
近年、世界的に、化学物質に関する規制が強化されてきています。例えば、欧州連合(EU)のRoHS指令・REACH規則、米国のTSCAが代表例ですが、世界各国で同様の法規制が整備されてきています。
部品や素材を日本国内で製造していても、完成品を輸出する際、輸出先の国や地域の法規制を遵守していなければ販売できません。つまり、製品に含有される化学物質について情報を把握しておくことは、製品を海外で販売するためにも必須となります。
製品に含有される化学物質の情報を把握するには、
原材料を製造する企業(川上)⇒部品を製造する企業(川中)⇒最終製品を製造する企業(川下)というサプライチェーン全体で、化学物質の情報伝達が必要になります。
chemSHERPAについて
chemSHERPA は、製品に含有される化学物質の情報を川上⇒川中⇒川下企業まで、サプライチェーン全体で適正に運用するためのデータ作成支援ツールで、経済産業省主導で2015年10月にリリースされました。
chemSHERPAを使用すると、川上から川下までのサプライチェーンに関わる全ての事業者が、同じ考え方・ルールに基づいて製品含有化学物質情報をやりとりできます。
例えばサプライチェーンを通して、情報伝達の対象とする化学物質の範囲や、データフォーマットが共通であることにより、効率的な情報伝達が可能となります。
これらの情報は、国際電気標準会議(IEC)の国際規格であるIEC 62474※1のXML※2スキーマ※3にも一致させています。
※1 IEC 62474 :電気電子業界における製品含有化学物質に関する情報伝達の国際規格
※2 XML:コンピューター言語の一種
※3:スキーマ データベースの構造を定義したもの