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EU RoHS指令 基本情報

RoHS指令

EUにおける電気・電子機器についての化学物質規制である「RoHS指令」について、以下にまとめる。
(2023年5月時点の情報)

■ RoHS=Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipmentの略
■ RoHS指令の目的:電気電子機器のリサイクルをする際や、最終的に焼却処分や埋め立てを行う際、人間の健康と
   環境へのリスクを防止するため、欧州連合(EU)で販売する電気電子機器において、特定の有害物質の使用を
   制限すること。(RoHS指令第1条より)
■ RoHS指令の概要:電気電子機器において、特定有害物質の含有を制限/禁止する。特定有害物質は現時点で10物質。
■ RoHS指令制定の経緯:電気電子機器廃棄物 (WEEE:Waste Electrical and Electronic Equipment)指令 と同時に
   2003年2月13日に公布、2006年7月1日に施行。
■ 要求される責務: ①電気電子機器に特定有害物質を非含有とすること
                                 ②非含有の適合宣言としてのCEマーク貼付 (RoHS指令 第7条より)
■ 対象製品:定格電圧がAC1000V、DC1500V以下で使用するように設計されている全ての電気電子機器に適用される。(RoHS指令 第3条より)
■ 対象外製品:軍事用、宇宙用機器、産業用大型固定工具(large-scale stationary industrial tools)、大型固定据付機器(large-scale fixed installation)、能動型埋込医用機器(指令 90/385/EEC)、太陽光パネル等(RoHS指令第2条より)

<参考情報>
FAQ key guidance document-RoHS
   ⇒ 製品がRoHS規制の対象となるかどうかの判断

RoHS指令のこれまでの経緯

RoHS1(2002/95/EC) 

EUに上市する電気電子機器を対象に、特定有害物質の含有を
制限する法律として2006年7月1日に施行された。
規制物質は6物質。
<参考情報>
   2002/95/EC(欧州委員会HP) 



改正RoHS(2011/65/EU)

2013年1月3日に改正RoHS(通称RoHS2)が施行された。
・対象製品の拡大
    RoHS1で適用除外だったカテゴリ8(医療用機器)、
   カテゴリ9(監視・制御機器)が対象となり、
   カテゴリ11(その他の電気電子機器)が新たに追加になった。
   基本的には全ての電気電子製品が規制の対象となった
   (一部対象外を除く)。






・CEマーク
    CEマーキングの製品への貼り付け対応の要求が追加になった。
    CE = 仏 Conformité Européenneの略
    <参考情報>
      2011/65/EU(欧州委員会HP) 

特定有害物質の追加(2011/65/EU)+(EU)2015/863 

2019年7月22日 改正RoHS指令の特定有害物質に
フタル酸エステル4物質が追加され、合計10物質となった。

<参考情報>
    (EU)2015/863(欧州委員会HP) 


適用除外について

特定有害物質を使用する以外に代替手段がない場合、期限付きで適用除外用途が認められる。
附属書Ⅲ(対象:すべての電気電子製品)、附属書Ⅳ(対象:カテゴリー8, 9)に収載される。

・適用除外の有効期限
 - カテゴリ1~7、10,11 ⇒ 最長5年
 - カテゴリ8,9 ⇒ 最長7年
      それを超えて適用除外したい場合には、再度申請し直す必要がある。

・新たな適用除外用途の許可・期限延長の見直しの流れ
    
       ※1 外部コンサルタント会社 ⇒ Oeko-Institut (独)、フラウンホーファーIZM (独)等

・適用除外有効期限の考え方
    

対象物質の状況(2023年5月時点)



2017年12月29日~2019年6月28日にかけて検討された追加候補物質とコンサルタント会社(Oeko-Institut)の評価結果(Pack15)より



特定有害物質に追加することが
推奨された2物質

特定有害物質に追加することが
推奨されないと結論づいた5物質

<参考情報>
    外部コンサルタント会社 (Oeko-Institut) によるRoHS評価結果 
    外部コンサルタント会社 (Oeko-Institut) によるRoHS評価最新情報 

適合宣言

・製品の上市前にCEマークの貼り付けが必要。
 ⇒ CEマークが貼付されていることで、製品が該当する法令等に準拠し、適正な適合性評価手続きを経たことを表す。

・主な要求事項:
 ①RoHS指令対象物質が非含有(閾値以下)であること
 ②技術文書の作成
 ③適合宣言書(DoC:Declaration of Conformity) の作成
 ④CEマークの貼付
  ※②,③の文書は10年間保管
      

<参考情報>
    ・技術文書・適合宣言について (欧州委員会HP) 
    ・CEマーキングについて (欧州委員会HP) 
    ・ブルーガイド (欧州委員会HP)
    ・4.3.技術文書     4.4.EU適合宣言     4.5 CEマーキング要件
         EN IEC63000:2018 「有害物質規制に関する電気電子製品の評価のための技術文書」
         - RoHS2適合宣言の整合規格
         - 内容:製品のRoHS指令への適合を証明するための技術文書の構造、個々の部品や材料について
           取得すべきエビデンスの種類等が記載されている。
         - 購入サイト:IEC Webサイトより https://webstore.iec.ch/home
                                日本規格協会 Webサイトより https://webdesk.jsa.or.jp/
    ・CEマーキング 技術文書作成の手引き(経済産業省) 

参考HPまとめ

■ RoHS関連掲載サイト
   ・RoHS指令(欧州委員会HP、英語) 
         RoHS指令条文、概要、ガイダンス、最新のタイムライン等
   ・RoHS指令の対象物質(欧州委員会HP、英語) 
         Home > Topics > Waste and recycling > RoHS Directive > Background
   ・制限物質追加 原文 (EU)2015/863(英語) 

■ ガイダンス・ガイドライン類サイト
   ・FAQ key guidance document - RoHS(英語、PDF文書) 
          ⇒ 製品がRoHS規制の対象となるかどうかの判断
   ・技術文書・適合宣言について(欧州委員会HP、英語) 
   ・CEマーキングについて(欧州委員会HP、英語)