- HOME
- 製品分野別情報
- 電力・産業システム
- 電力・産業システム 製品個別情報
- 「サーボシステム」のご紹介
「サーボシステム」のご紹介
1. SDGsとともに歩むサーボシステム
サーボシステムはこれまで半導体・FPD製造装置、電子部品製造装置、産業用ロボット、工作機械など、生産現場の装置・機械の高速、高精度化への貢献と進化を続けてきました。その他、医療・福祉機器や交通システムなど身近な暮らしにも用途を拡げてきています。
近年、生産現場ではスマートファクトリー化への取り組みが加速しており、装置・機械の高速、高精度化に加え、稼働状況の監視分析や予防保全の合理化による全体最適化で、スループットの拡大や人手不足への対応が求められています。このため、IoT・AI・ビッグデータなどとの連携によるサーボシステムの更なる技術向上と適用拡大が期待されています。
これからもサーボシステムは、装置・機械の高速、高精度化、監視分析・予防保全の合理化のニーズに応え、産業分野を中心にさまざまな分野で中核となるアクチュエータとして、豊かで革新的な未来を切り拓いてまいります。
2. 拡がる用途
分類 | 用途例 |
---|---|
半導体・FPD製造装置 | ウェハー製造、ステッパ、ワイヤーボンダー、 洗浄装置・スピンナー、ハンドラー、発光ダイオード(LED)、 ガラス基板製造用装置、ガラス基板プロセス用処理装置、 パネル工程用装置等 |
電子部品製造組立装置 | インサータ、チップマウンタ、インサーキットテスタ等 |
産業用ロボット | 溶接ロボット、搬送ロボット、組立てロボット、塗装ロボット等 |
金属工作機械、金属加工機械及び鋳造装置 | マシニングセンタ、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、 研削盤、歯切り盤、歯車仕上げ機械、専用機、マシニングセンタ、 放電加工機、数値制御(NC)工作機械、伸線機、巻出巻取機、 圧延機械、製管機械、精整仕上げ装置、各種ロール、せん断機、 ベンディングマシン、液圧プレス、機械プレス、鋳造機械、 ワイヤーフォーミングマシン、ガス自動溶断機、 ダイカストマシン、鋳型機械、砂処理機械・装置、 製品処理機械・装置、鋳型定盤等 |
繊維装置、縫製装置 | 化学繊維機械、紡績機械、準備機械、紡糸機、延伸ねん糸機、 織機、編組機械、染色仕上機械、工業用ミシン、刺繍機等 |
食料品加工装置・包装装置 | 穀物処理機械、醸造用機械、牛乳加工機械、乳製品製造用機械、 肉類加工機械、水産加工機械、飲料製造用機械、製茶用機械、 個装・内装機械(製袋充填機、容器成形充填機、上包み機、 小箱詰機、真空包装機、収縮包装機、シール機、缶詰・瓶詰機械)等 |
木材加工装置、パルプ・製紙装置 | 製材機械、木工機械、合板機械、割木機、粉木機、チッパ、 薬液回収装置、ビータ、リファイナ、抄紙機、仕上機械、塗工機械等 |
成型機械 | 圧縮成形機、射出成形機、押出成形機、ブロウ成形機、 カレンダ成形機、真空成形機、圧空成形機等 |
印刷・製版・製本及び紙工装置 | 平版印刷機、おう版印刷機、プリンター、電子組版機、油圧断裁機、 高速度断裁機、自動断裁機、折畳機、丁合機、製ばこ機械、 段ボール製造用機械等 |
搬送装置 | クレーン、巻上機、コンベア、ホームエレベータ、エスカレータ、 リフト、立体駐車場、自動立体倉庫装置、無人搬送車等 |
電池製造装置 | 太陽電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等 |
その他 | アミューズメント機器、医療機器、福祉機器、自動改札機、ETC、 自動ドア、シャッター、上記品目以外のもの |
3. サーボシステムの特長
安全性能の向上
欧州機械規則では、機械システムに対して機能安全に対応した機械の通則規格(制御システムの安全関連部、EN/ISO 13849-1)への適合が求められており、そのためのサーボシステムとして、可変速駆動システムの機能安全規格(IEC 61800-5-2)に対応したサーボ製品があります。
これらのサーボに搭載された機能安全規格に則した安全機能により、さまざまな機械・装置毎に最適な安全設計を容易に実現することができ、機械・装置を人や他設備と協調・協働させつつ安全に動作させることが可能です。
システム小型化への対応
フレキシブルな段取り替えや流用設計により、多様なシステム対応が求められる中、システムの小型化・軽量化の要求があります。サーボシステムはこのような市場の変化に応え続けています。
放熱技術の向上や高効率化、基板実装技術の向上によりシステムの小型化に貢献します。
また、高速ネットワーク化への対応により、省配線化、多軸化を可能とし、小型化とともにフレキシブルな段取り替えに貢献します。
オートチューニング
サーボアンプが機械系の共振や摩擦、負荷イナーシャなどを精密に計測して、動作の安定化と整定時間を短縮する最適なゲイン、フィルタを自動調整できます。
立ち上げ時間の短縮と、機械装置の性能向上が可能です。
カーボンニュートラル
カーボンニュートラルに対応する上でサーボシステムの採用は非常に効果的です。従来の空圧・油圧装置に比べエネルギー変換効率が非常に高く、大幅な省エネルギー、CO2削減が実現できます。モータが加速・減速動作を繰り返す中で、減速時に発生する運動エネルギーを抵抗器で消費させず、複数台のサーボアンプ間で共有したり、大元の電源に戻す電源回生を用いることで更なる削減が可能です。
システム省エネへの対応:次世代パワー半導体
カーボンニュートラルに対応する上でサーボシステムの採用は非常に効果的です。従来の空圧・油圧装置に比べエネルギー変換効率が非常に高く、大幅な省エネルギー、CO2削減が実現できます。モータが加速・減速動作を繰り返す中で、減速時に発生する運動エネルギーを抵抗器で消費させず、複数台のサーボアンプ間で共有したり、大元の電源に戻す電源回生を用いることで更なる削減が可能です。
バッテリレスアブソリュートエンコーダ
アブソリュートエンコーダとは、システム電源が切れている時も、サーボモータの回転位置を認識する位置検出システムです。従来のアブソリュートエンコーダは外部にバッテリが必要であり、寿命品であるためメンテナンス時に交換が必要でした。
バッテリレスアブソリュートエンコーダは、ギアを用いた機械式位置記憶、発電素子搭載などの方法により、バッテリ搭載を不要にしたエンコーダです。
バッテリ交換作業が不要となることでメンテナンスフリーを実現し、従来通りシステム電源が切れても回転位置を記憶出来るため、原点復帰等の初期立上げ作業も不要で起動時のタクトタイム短縮に貢献します。
サーボ性能の向上
タクトタイム短縮(モータ高速化、高精度応答化):速度周波数応答や最高回転速度などのサーボ基本性能向上により、装置のタクトタイム短縮に貢献します。
制御精度向上(制御精度、検出分解能向上、各種補償機能):通信周期の高速化、エンコーダ分解能の高精度化、ロストモーション補正など補償機能の拡充により、高精度な装置制御を実現可能です。
耐環境性向上(防水・防塵):保護等級IP67対応により耐環境性向上しています。
進化するPLCへの対応
スマート工場 データ活用:IoT技術を活用し、あらゆる機器や設備をネットワークに接続させることで工場全体の見える化を実現します。更に、AIやロボット技術を導入することにより、人手不足の解消、生産性改善や品質向上に寄与します。
Digital Twin技術:Digital Twinとは、現実世界の製品やプロセスをデジタルモデルで再現し、そのモデルとリアルタイムに収集されるデータを活用して製品の開発や運用をサポートする技術です。
設計や試作にかかるコストや時間の削減、品質の向上・リスク低減、予知保全を実現します。
写真:(株)安川電機website「産業用ロボットのデジタル化への対応」
寿命診断、劣化診断、寿命予測診断(故障予知機能)
サーボシステムを稼働している運転状態を観測し、観測データを基に劣化診断を行うことで、運転状態に現れる兆候をいち早く検知し、サーボシステムの寿命予測を行います。
本機能により、システム停止期間の短縮によるメンテナンス作業の軽減や、最適な交換時期把握によるメンテナンス費用の削減が図れます。
スマート工場 データ活用
IoT技術を活用し、あらゆる機器や設備をネットワークに接続させることで工場全体の最適化を実現できます。更にAIやロボット技術を導入することにより人手不足の解消、生産性改善や品質向上が可能です。
4. サーボシステム関連資料
- <JEM規格・JEM-TR技術資料>
- JEM-TR 145 直流サーボモータ,ブラシレス直流サーボモータ及び直流タコジェネレータの用語と定義(1996)
- JEM-TR 157 ステッピングモータの用語と定義(1996)
- JEM-TR 163 ロータリエンコーダの用語と定義(1996)
- JEM-TR 175 IMサーボモータの用語と定義(1996)
- JEM-TR 187 レゾルバシステムの用語と定義(1993)
- JEM-TR 210 ACサーボに関する用語及び記号(2014)
- JEM-TR 225 特定需要家におけるサーボアンプの高調波電流計算方法(2015)
- JEM-TR 227 サーボアンプ(入力電流20A以下)の高調波抑制対策実施要領(2003)
- <パンフレット>
- 汎用インバータ及びサーボアンプの高調波抑制対策について(2022)
- サーボシステムを安全にお使いいただくために(2017)
- サーボシステムの更新は計画的に(2017)
- 「SDGsとともに歩むサーボシステム」2023~2024年版パンフレット (2024年1月)