算出手順
算出手順を説明します(各ボックスをクリックして下さい)。
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LC-CO2排出量の算出を行う目的を確認します。
(例:自社製品の機種別比較、新旧比較など)
調査範囲を確認します。
(例:調達から廃棄・リサイクルまで、使用時のみなど)
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算出式
素材別の質量 [kg] × 素材別のCO2排出係数※ [kg-CO2/kg]
必要なデータ
対象製品の素材もしくは部品別質量(合計が製品質量と合致)
収集方法
①製品の設計値・実測値 ②過去の類似データ ③その他
※素材および部品は下記のグループ化等を行い、データの収集、入力の容易化を図っています。
- 金 属:
- 鉄鋼(ステンレス鋼とその他鉄鋼の2分類)、銅、アルミ、 その他非鉄金属にグループ化
- 樹 脂:
- ポリプロピレン、ポリスチレン、発泡ポリウレタン、その他樹脂にグループ化
- 部 品:
- 圧縮機(潤滑油を除く)と電子回路基板(ベア基板とその上に搭載されている
電子部品を含む)は圧縮機と電子回路基板部品としての排出係数を用意して
部品質量の収集のみに対応 - その他:
- 磁性材、ゴム、ガラス、セラミック、ガス、潤滑油、などに分類
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算出式
1台あたり製造エネルギー※ [kWh他] × 電力CO2排出係数 [kg-CO2/kWh]
(重油、ガス等の排出係数)
必要なデータ
対象製品の1台あたりの製造エネルギー
- 電力(kWh)
- 都市ガス(m3)
- LPG(m3)
- 灯油(L)
- 重油(L)
収集方法
1年間の製造工場の実測データをもとに、当該工場の年間製品生産数または
生産高等で按分※製造段階での主なCO2排出源は自社工場で使用する電力や化石燃料の消費であるため、本手法では、以下の投入によるCO2排出を含めていません。
上水(m3)・ 工業用水(m3)・ 下水(m3)・ エアー(m3)・ 蒸気(kg)
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算出式
製品質量 [t] × 輸送距離 [km] × 輸送手段別原単位 [t-CO2/t・km]
必要なデータ
製品質量、輸送距離と輸送手段
収集方法
製造拠点から、物流拠点、小売店を経て使用者までの輸送手段とルート(距離)の シナリオ※を作成する。
※簡易算出ツールでは、製造拠点に国内(日本)、中国、韓国、タイ、その他を初期値として用意してあり、その他以外の製造拠点から購入者までのJEMA想定輸送シナリオを用意しています。シナリオをそのまま、あるいは一部修正して使用することが可能です。
<シナリオ例>
- 国内生産 ⇒ 国内使用
- 製造拠点→10トントラック × 500 [km] → 物流拠点 → 4トントラック × 15 [km]→
小売店 → 軽トラック×5 [km] → 使用者(購入者) - 海外生産(タイ) ⇒ 国内使用
- 海外製造拠点 → 10トントラック × 100 [km] → 海外港湾 → 船舶 × 5813 [km] →
国内港湾 → 10トントラック → ×500 [km] → 物流拠点 → 4トントラック × 15 [km]→
軽トラック × 5[km] → 使用者(購入者)
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算出式
製品の年間消費電力量 [kWh] × 使用年数 [年] × 電力CO2排出係数 [kg-CO2/kWh]
必要なデータ
製品の年間消費電力量、使用年数
収集方法
①設計値もしくはカタログ値等の年間消費電力量
②業界基準の使用年数や保守部品の保有期間から推定される使用年数等
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回収段階
算出式
製品質量 [t] × 輸送距離 [km] × 輸送手段別原単位 [t-CO2/t・km]
必要なデータ
製品質量、輸送距離と輸送手段
収集方法
使用済み製品の使用者から小売店、収集拠点等を経てリサイクルプラント、および
リサイクルプラントで解体分別された材料の材料再生工場、埋め立て処分場までの
輸送手段とルート(距離)のシナリオの作成廃棄・リサイクル段階
算出式
製品あるいは素材別質量 [kg] × リサイクルや廃棄処分方法別CO2排出係数
[kg-CO2/kg]必要なデータ
対象製品の素材もしくは部品の質量(合計は製品質量に合致)
収集方法
①製品の設計値、実測値
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算出式
下記の各段階からのCO2排出量を合算する
素材、製品製造、製品輸送、使用、回収、廃棄・リサイクル簡易算出ツールでは、図1および図2に示すように、各段階のCO2排出量、排出量比率のグラフを自動で作成します。
図1 各段階のCO2排出量(例)
図2 各段階のCO2排出量比率(例)
算出結果から環境配慮設計における重要な事項(環境負荷の大きいライフサイクルの段階、使用材料、製品仕様など)を定量的に把握することができます。