- HOME
- 電力・産業システム
- 電力・産業システム 製品情報
- 電気ホイストのご紹介と安全にご使用いただくために
- 電気ホイスト FAQ
電気ホイスト FAQ
※ 本ページ内容のPDF版は、こちら からダウンロードできます。
- Q1. クレーンとは何ですか。
- A
1. 動力を用いて,荷を上下に動かし,水平に移動する装置を言います。
- Q2. ホイストとは何ですか。
- A
2. 電気ホイスト/ワイヤ(ロープ)ホイストと言うこともあります。モータ,減速機,ドラム(ワイヤロープを巻取)をコンパクトに一体とした巻上装置です。
横行装置も一体化された機種がクレーン用として多く使用されています。
なお,スプロケットで鎖(チェーン)を巻取るタイプは電気チェーン・ホイスト(ブロック)となります。 - Q3. ホイストを選定するに当たり,どのような情報が必要ですか。
- A
3. 基本的には,使用状況及び要求寿命に関する情報が必要です。
使用状況として,次のような情報が必要です。
・吊り上げる荷重
・年間稼働日数
・1日の最大使用時間
・揚程(吊り上げ高さ)
・運搬回数
・運転速度
これらの情報を基に,メーカが必要な等級を特定することになります。 - Q4. 巻上機の等級に関し,JIS規格ではM1~M8,クレーン構造規格ではA~Fで表記されていますが,違いは何なのでしょうか。
- A
4. 等級表記の関係性を図に示します。
JIS規格とクレーン構造規格の等級を比較すると,等級が指し示す総運転時間(寿命時間)の範囲が異なります。 - Q5. より高い等級のホイストを使用したいのですが,カタログ等にありません。標準以外の等級に対応することはできますか。
- A
5. ホイストの基本モデルの容量(定格荷重)を下げることで目的の等級に対応も可能です。詳細はメーカにお問い合わせください。
- Q6. 必要な電源は何ですか。
- A
6. 標準仕様は3相 200V 50/60Hz,220V 60Hzとなります。
なお,400Vクラスも特注品として対応しています。 - Q7. ホイストは屋外での使用に対応していますか。
- A
7. 通常のホイストは,屋外で使用することはできません。屋外で使用される際は,屋外用ホイストを使用してください。
簡易的な対策としては,防雨カバーの取り付けや退避場所を設けて,雨水にさらされないようにご注意ください。
屋外仕様時の具体的な対策は,メーカにお問い合わせください。 - Q8. エレベータの巻上機として使用出来ますか。
- A
8. 使用出来ません。(別に,エレベータ規格が存在します。)
また,荷の上に載って作業する用途にも使用出来ません。 - Q9. 簡易リフトの巻上機として使用出来ますか。
- A
9. クレーン構造規格および簡易リフト構造規格の適用を受けます。
対応可否は機種によりますのでメーカへお問い合わせください。 - Q10. ホイストは何tまで製作出来ますか。
- A
10. 一般的には0.5t~30tとなりますが,特注品として更に大きな容量も対応しています。具体的にはメーカにお問合せください。
- Q11. ホイストの設置に届出は必要ですか。
- A
11. ホイストをクレーンとして製造・設置する場合は,クレーン等安全規則によって製造許可・設置届・設置報告書等の手続きと設置後の点検が義務付けられています。
「法的手続きの義務について」のページ - Q12. アース工事とはどの様なものですか。
- A
12. 走行レールの接続部は,溶接によるか,又はレール用継目板などにより機械的,電気的に確実に接続し,レールには,300 V以下の場合はD種接地工事,300 V以上の場合はC種接地工事を施工します。
- Q13. ホイスト用電動機の定格は,一般用電動機の定格と同じ規定ですか。
- A
13. ホイストの巻上電動機は,始動及び停止を繰返して用い,巻上げでは力行領域(電動機から負荷へ力を加えている状態)で,巻下げでは回生制動領域(電動機が発電機として電気を作り出している状態)で運転するため,一般用電動機とは運転条件が異なります。
このため,一般用の電動機の規格は,ホイストには適用されません。 - Q14. ホイストの定格電流値は,電動機単体の定格電流値と同じですか。
- A
14. ホイストは,電動機・ブレーキ・減速機・制御機器などを一体化した機器であります。そのため,電動機単体で運転する場合の電流に加え,ブレーキ・制御機器などの動作電流や,機械損などに影響される電流を含めた総合電流がホイストの定格電流値となります。
- Q15. サーマルリレーは電動機の保護として一般的ですか。
- A
15. ホイスト用電動機は間欠運転を常とし,また,インチングなどの始動・停止を頻繁に行う運転を多用するため,サーマルリレーは電動機の保護に適しません。
- Q16. ホイスト,クレーンサドルに使用するモータは,トップランナーモータを使用する必要がありますか。
- A
16. トップランナーモータとは,省エネ基準を定めた「トップランナー制度」に適合したモータを指します。
一方、ホイスト,クレーンサドルで使用するモータの使用条件は,「トップランナー制度」で提示している条件の対象外となりますので,トップランナーモータを使用する必要はありません。 - Q17. 非常停止スイッチと入り切りボタンは,何が違いますか。 また,非常停止スイッチを備え付けるときに注意することはありますか。
- A
17. 非常停止スイッチ操作では,操作回路だけを遮断し,巻上機を作動させる駆動機構への電力供給を遮断しない構成は,電気ホイストの規格(JIS C 9620)では認められておりません。
入り切りボタンの場合には,まれに操作回路だけを遮断する構成となっている場合があります。 - Q18. 過負荷防止装置は必要ですか。
- A
18. 電気ホイスト単体では,過負荷防止装置を備えることが義務づけられているわけではありません。ただし,ジブクレーン等では,クレーン構造規格により,クレーンに過負荷防止装置を備えることが義務づけられており,注意が必要です。
過負荷防止装置を使用する場合には,クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置構造規格に基づき認定品である必要があります。
なお,クレーン等安全規則第23条にて,クレーンは定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならないことが定められています。 - Q19. 電気ホイストの過負荷を防止する安全装置は認定品以外も使用できますか。
- A
19. 電気ホイストの過負荷を防止する安全装置にて「過負荷防止装置以外の過負荷を防止するための装置」に該当するものについては検定機関の認定は必須ではありません。
- Q20. ホイストの過負荷を防止する安全装置の設定値目安はありますか。
- A
20. 設定値目安は安全装置の検出誤差を考慮して定格荷重の110%付近とし,125%の過負荷で確実につり上げを停止するように設定するのが一般的です。
※過負荷を防止する安全装置にはばね又はロードセルを用いた機械式と電流及び電力の検知による電気式があるが,これらの安全装置は外的要因や検出誤差により検出精度は10%程度の誤差が生じます。 - Q21. 複数のフックがあるクレーンで,一つの荷物を同時に吊り上げ(共吊り)してもよいでしょうか。
- A
21. 共吊りを行う場合には,共吊りに適したクレーンである必要があります。
製造許可申請時の要件となるため,共吊りを行う場合には,購入時にメーカにお問い合わせください。
なお,複数のフックを有したクレーンで共吊り作業をする場合は,災害の防止のため,次のような安全装置を備える必要があります。
① 主巻と補巻の巻上げ又は巻下げを同時に行う作業を目的とするクレーン
主巻フックに係る荷重と補巻フックに係る荷重の合計値が,主巻の定格荷重を超えない装置,及び,補巻にかかる荷重が,補巻の定格荷重を超えない装置
② 複数のフックを用いた共吊り作業を目的とするクレーン
各々のフックの定格荷重を超えない装置,巻上げ及び巻下げの同調装置,並びにトロリの衝突防止装置 - Q22. JIS G 3525に規定されていないワイヤロープは,使用可能でしょうか。規格上の注意点はありますか。
- A
22. JIS G 3546に記載されているワイヤロープなども使用可能です。
ただし,クレーン構造規格の第2章第2節において,使用するワイヤロープのグループにより,吊り上げ装置の等級で要求されるD/dの値が異なりますので注意してください。
既設ホイストのワイヤロープ種類を変更する場合、法規上の問題等が生じる可能性もありますので、必ずメーカに相談ください。 - Q23. ホイストの残存耐用期間は,どうしたらわかりますか。
- A
23. 巻上機にかかる負荷や運転時間の履歴を管理し,計算することで理論上の残存耐用期間を計算することができます。
管理方法は, 「巻上機の特別アセスメント」のページ を参照ください。 計算シート も用意しています。 - Q24. 次の仕様のクレーンにて,等級C(M5)の電気ホイストを5年ごとに交換しているが,交換期間を10年以上に延ばしたい,使用状況に応じたホイストを選定するにはどうしたらいいですか。
【使用状況】
・年間稼働日数:250日 ・荷重率:0.5~0.63 ・1日の最大使用時間:8時間
・負荷時間率:32%ED ・始動回数:120回/時 - A
24. ご使用の状況に変更はない場合には,等級D(M6)以上を選定してください。
- Q25. スプリアス発射の強度の許容値の改正について教えてください。
- A
25. 世界無線通信会議(WRC)において,無線通信規則(RR)のスプリアス発射の強度の許容値が改正されました。これを受けて,総務省は,2005年12月1日に無線設備規則を改正しました。
2022年12月1日以降,旧規則に基づく無線機器は,新規則の条件に適合する無線機器として変更許可など適合したことの確認を受けない限り,使用できなくなります。
この改正により現在ご使用いただいている無線機が使用できなくなるケースがあり,具体的にはメーカにお問合せください。