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再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組み
再生可能エネルギーの主力電源化に向けては、国際水準に比べて相対的に高い再生可能エネルギーの発電コストを低減させ、コスト競争力のある電源となることが必要です。また、地域社会と共生して長期的に安定した電源とすることも必要になります。
日本においては、再生可能エネルギーを着実に拡大させるため、FIT制度の導入、技術開発によるコスト低減、地域共生のための事業規律の適正化、電力ネットワークの強化など様々な施策を推進しています。地方自治体によっては、積極的な再生可能エネルギーの導入支援を講じているところもあります。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT〔Feed-in Tariff〕制度) 2012年7月~
再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が固定価格で一定期間買取ることを国が約束する制度です。太陽光発電・風力発電・中小水力発電・地熱発電・バイオマス発電のいずれかを使い、国が認定する事業計画に基づいて発電した電力がFIT制度の対象となります。また、再生可能エネルギー電気の買取に要した費用は、電気の利用者が広く負担する再生可能エネルギー賦課金によって賄われています。
FIP(Feed-in Premium)制度 2022年4月~
再生可能エネルギーを主力電源化するためには、将来的にはFIT制度等による支援から自立し、他の電源同様、卸電力市場や相対契約などで事業性を確保できる電源になる必要があります。そのため、電力市場への統合を促す支援制度として、市場連動型のFIP制度が開始されました。
FIP制度とは、国から認定を受けた設備からの再生可能エネルギー電気について、卸電力市場や相対取引での売電電力量に応じて一定のプレミアム(補助額)の交付する制度です。今後、再生可能エネルギー発電事業者をはじめとする様々な事業者が、FIP制度を活用した新たなビジネスを創出し、再生可能エネルギーの導入を拡大させることが期待されます。
FIT制度開始前は、約2,060万kWの再生可能エネルギー導入量がありました。FIT制度導入後は特に太陽光発電の導入が進み、2022年度末のFIT/FIP設備導入量は約7,360万kWとなっています。
近年では、RE100(Renewable Energy100%)に代表されるように産業界においてもサプライチェーン全体の脱炭素化を目指す動きが活発化しています。再生可能エネルギーはその環境価値に加えて、コスト低減が進んだこと、燃料価格高騰の影響を受けにくいことから長期安定的な電力調達を目的として、再生可能エネルギー由来の電気を志向する需要家が増加しています。今後は、FIT制度やFIP制度などの運用を適宜改善しながら、FIT制度やFIP制度によらない需要家主導のPPAモデル(第三者所有)や自家消費用途などでの導入を行い、カーボンニュートラルの実現やエネルギー自給率の向上に貢献する電源になっていくことが期待されます。