トップランナー変圧器第二次判断基準2014年度スタート
トップランナー判断基準の見直し
2006年度の油入変圧器に対する省エネ法特定機器規制開始により、変圧器の省エネ技術は進み、トップランナー変圧器は広く普及しました。トップランナー制度に基づき、変圧器の省エネ基準が見直され、2014年度より新省エネ基準が施行されることとなりました。それが「トップランナー変圧器の第二次判断基準」であり、目標年度及びエネルギー消費効率(全損失)の2項目が見直しされました。
トップランナー変圧器第二次判断基準の開始時期
油入変圧器、モールド変圧器ともに第二次判断基準の目標年度※は2014年度です。変圧器製造事業者は2014年4月より、第二次判断基準への切り替えが義務づけられます。
(※目標年度とは製造事業者が特定機器について、目標基準値を達成すべき年度を定めたもの。)
第二次判断基準のエネルギー消費効率
変圧器は構造の違い、相数、周波数等の仕様や負荷率により特性が異なり、エネルギー消費効率に影響を与えます。そのため下表のように区分され、それぞれの区分毎に新基準のエネルギー消費効率の算定式が定められます。なお、基準負荷率は広範囲の負荷率に対して効果的な損失削減を図るため
500kVA以下では40%。500kVA超過では50%となり、現在のトップランナー変圧器から変更ありません。
対象範囲
省エネ効果(エネルギー消費効率の比較)
新基準トップランナー変圧器では、JISC4304(1981)規格値とのエネルギー消費効率での比較において約40%、JISC4304(1977)との比較では約60%もの省エネ効果が期待でき、旧型の変圧器になるほどエネルギー消費効率が悪く無駄な損失を発生させてしまいます。また、日本国内での配電用油入変圧器稼動台数は2010年度時点で約317万台と推計されていますが、このうち更新推奨時期である20年を超過している1991年以前の変圧器は、新基準のトップランナー変圧器へのリプレイスにより大きな省エネ効果が期待できます。このように、これら旧型変圧器の更新促進は地球温暖化の環境問題として早急に取り組んでいかなければいけない課題と言えます。