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金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ規格 JIS C 62271-200の制定とJEM 1425の廃止予定について
JEM 1425 からJIS C 62271-200 へのスムーズな移行のため、両規格の相違点をまとめ、具体的な例示を盛り込んだ
JEM-TR 257:「金属閉鎖形スイッチギヤおよびコントロールギヤ規格の適用指針(JEM 1425 からJIS C 62271-200 への移行)」を2024年7月に発行いたしました。
JEM-TR 257の詳細およびご購入方法などについては、当会刊行物コーナー よりご確認ください。
配布資料の公開について
2023年10月24日に開催しました『金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ規格の移行に関する説明会
ー JEM 1425からJIS C 62271-200へ ー』の配布資料につきまして、このたび一部再編集して公開いたします。
つきましては本資料入手ご希望の方は、こちらのフォームより お名前・メールアドレス等を入力しお申込みください。
なおお申込みに当たっては、あらかじめ当会の個人情報保護に関する基本方針(プライバシーポリシー) をご確認下さい。
(2023年12月28日追記) 資料Rev 01版を公開しました。
金属閉鎖形スイッチギヤは特別高圧及び高圧受電の受電設備、高圧制御盤などとして幅広く活用されており、この金属閉鎖形スイッチギヤの製品規格であるJEM 1425(金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ)が、対応国際規格であるIEC 62271-200に整合の上、2021年7月にJIS C 62271-200として制定されました。なお、JEM 1425:2011は、2025年3月に廃止する予定です。
本ページではJEM1425:2011からJIS C 62271-200:2021へ移行するに際して、よくある質問(Q)に対する回答(A)をご紹介いたします。
(2024年1月12日追記) Q1.7を追加しました。
お問い合わせの多い質問とその回答 目次
1. 全般
- JEM 1425に代わり、JISとした目的とは?
- JIS規格には既にJIS C4620が規定されているが、今回制定となったJIS C62271-200との違いとは?
- IEC62271-200とJIS C62271-200は同一内容でしょうか?
- JIS C62271-200制定後にJEM1425はどのようになるのでしょうか?
- 引用規格にJEC、JEMが含まれていないが、学会、業界団体規格品を使用しても問題はないか?
- 低圧盤(JEM 1265)や高圧コンビネーションスタータ(JEM 1225)などはどのような扱いとなりますか?
- JEM1425が2025年3月末で廃止になった後は、JEM1425を引用しているJEM1499は継続して使用できるのでしょうか?また、JEM1499は、JEM1425の廃止後に改正の予定はあるのでしょうか?
2. 運転連続性喪失区分(LSC)と仕切板等級
- 運転連続性喪失区分(LSC)とは?
- LSCの採用によりスイッチギヤ及びコントロールギヤは変化するのか?
- シャッタや仕切板の材質の違いでコンパートメント形やメタルクラッド形を区別していたが、どのような標記に変わりますか?
- JEM1425では主要機器が固定形、搬出形及び引出形に応じてスイッチギヤの形を区別していたが、JIS C62271-200ではどのように標記しますか?
- 用語の定義に「搬出形機器」が削除されている理由は?
- 従来の1段積み又は多段積みキュービクル形は、どのようなLSC標記となりますか?
- 従来のコンパートメント形やメタルクラッド形は、どのようなLSC標記となりますか?
- 従来のコンパートメント形やメタルクラッド形と、新しいLSC表記の、具体的な例を教えてください。
- 多段積み構成のコンパートメント形やメタルクラッド形の場合に、どのようなLSC標記となりますか?
- JEM 1425 解説4.5.11では、「操作,点検などのために充電状態で止むを得ず開ける必要がある扉には,安全性を考慮して,主回路を隔離するためにJIS C 0920に規定する保護等級IP1X程度の“保護板”を設けることが望ましい」と記載がありましたが、JIS C 62271-200ではこの記載が消えています。保護板は不要になったのですか?
3. 使用状態
- 標準使用状態及び特殊使用状態でJEM 1425と異なる点は?(項2)
- 全天日射を求められた場合に、日射によるW数はどれくらいを想定しているか?(項2.1.2)
- 屋外に暴露して使用する碍子はJIS C 62271-200に含まれるのか?(項2.1.2)
- 屋外用スイッチギヤの盤内に屋内用機器を用いる場合、スイッチギヤ内部を屋内の環境状態に保つ対策とはどのようなことか?(項2.1.2.i)
4. 定格
5. 設計及び構造
- 接地系統に接続されている金属製の閉鎖箱の部品は、接地導体と同等として扱えるのか?(項5.3)
- 銘板に記載する製造業者が指定する“形式”は、元々使用していた形式を記載しても問題ないか?(項5.10)
- インタロック装置において、制御回路を接続するマルチプルコネクタの扱いはどのようになるのか?(項5.11)
- 表示方法で閉路状態「I」、開路状態「O」にするのが望ましいとあるが、文字での開閉表示でも問題ないか(項5.12)
- 保護等級において、従来屋外盤に使用されてきたW(水の侵入に関する特殊コード)は今後も使用できるのか(項5.13.2)
- 「屋内用スイッチギヤについては、IPコードの第二特性数字による水の有害な浸入に対する保護等級は規定されない。」とありますが、屋内用の場合は水に対して考慮する必要はないのですか(項5.13.2)
- IKコードを指定された場合はどの様に性能を確認するのか(項5.13.3)
- 計器用変圧器等を収納した移動形機器は、JEM 1425と同様にシャッタを設けなくてもよいか(項5.103.3)
- IEC 62271-200では内部アークに関する要求事項は必須と認識しているが、JIS C 62271-200にも
該当するのでしょうか?(項5.101)
6. 形式試験
- 形式試験が3つのカテゴリに分類されているが、従来と運用がどの様に違うのか?(項6.1)
- 特殊な場合の絶縁試験において、複合電圧試験とあるが、どのような場合にどのような電圧を印加すれば
よいのか(項6.2.5.1b) - VPIS、VIS、VDSとは何でしょうか?(項6.2.10)
- 試験中の周囲温度は、+10℃を超え+40℃以下とするとあるが、従来JEM 1425で試験をしており、
周囲温度が規定値以下の場合は再試験が必要でしょうか。(項6.5.4) - 電磁両立性試験(EMC)が追加されているが、必須項目でしょうか?(項6.9)
- 内部アーク試験を実施したい場合、どこに依頼すればよいでしょうか?(項6.106)
- 補助回路の環境試験において、試験ユニットのグループを4つに分けた場合、最終状態点検は各グループの試験が
終わったもので実施するとの考え方で良いでしょうか。(項6.10.5.7)
お問い合わせの多い質問とその回答
1. 全般
- Q1.1 JEM 1425に代わり、JISとした目的とは?
- A
WTOのTBT協定を踏まえたものです。
TBT協定は、各国の規格が不必要な貿易障害とならないよう、国際規格を基礎とした国内規格の策定を定めています。JEM 1425もこの方針に従い、IEC規格に整合させました。
IEC規格を基礎として用いるに当たり、業界団体規格であるJEM規格から、JISとしました。 - Q1.2 JIS規格には既にJIS C4620が規定されているが、今回制定となったJIS C62271-200との違いとは?
- A
JIS C4620は我が国に特化した内容、JIS C62271-200はIEC 62271-200を基礎に、一部JEM1425の内容を取り入れています。
JIS C4620は我が国の事情に特化し、公称電圧や受電設備容量も限定されていますが、JIS C62271-200はIEC 62271-200を基礎としており定格だけでなく要求事項が異なっております。
詳しくは解説表1を参照ください。
JEM1425相当のスイッチギヤ及びコントロールギヤをご要求の場合は、JIS C62271-200を引用下さい。 - Q1.3 IEC62271-200とJIS C62271-200は同一内容でしょうか?
- A
同一内容ではありません。
ISO、IEC等の国際規格との整合化を目的としたJISを制定する際に、整合の度合いがIDT(一致)、MOD(修正)、NEQ(同等でない)の3種類あります。JIS C62271-200に関しては、IEC62271-200の整合を目的としていますが、我が国の実情や法令に従い修正を加えているためMODで制定しております。 - Q1.4 JIS C62271-200制定後にJEM1425はどのようになるのでしょうか?
- A
JEM1425は一定期間後に廃版となり、原則使用できなくなります。
移行期間として2025年3月までJEM1425を存続いたしますが、それ以降JEM1425は廃版となります。
尚、使用者からの要求や増設やリプレースで既設に仕様を合わせる必要がある場合は、規格廃止後も記載することは可能ですが、規格としての効力はなくなるため、製造業者の責任でご対応下さい。
(JIS C 62271-200の解説に、JEM1425は2024年廃止予定と記載しておりましたが、コロナ禍や部品不足等の影響もあり、協議の結果、2025年3月廃止予定に延期することにいたしました。) - Q1.5 引用規格にJEC、JEMが含まれていないが、学会、業界団体規格品を使用しても問題はないか?
- A
JEC、JEMなどの学会、業界団体規格は使用可能です。
JISではJEC、JEMなどの学会、業界団体規格は引用できないルールのため、掲載している規格はJIS、IECなどの国際規格となりますが、本項1.1にて「この規格の要求事項を満足している場合、引用規格以外の規格に適合した機器を用いてもよい。」としているため、学会、業界団体規格を使用しても問題ありません。これは、遮断器などの主機器でも同様です。 - Q1.6 低圧盤(JEM 1265)や高圧コンビネーションスタータ(JEM 1225)などはどのような扱いとなりますか?
- A
低圧盤及びコンビネーションスタータはJEM規格での運用となります。
JIS C62271-200はJEM 1265及びJEM 1225の内容は反映されていませんので、低圧盤及び高圧コンビネーションスタータは従来通りJEM規格での運用となります。
尚、列盤の都合上でJIS規格品とJEM規格品が混在して問題ありません。 - Q1.7 JEM1425が2025年3月末で廃止になった後は、JEM1425を引用しているJEM1499は継続して使用できるのでしょうか?また、JEM1499は、JEM1425の廃止後に改正の予定はあるのでしょうか?
- A
JEM1425が廃止されても、JEM1425からの引用部分は有効であり、JEM1499は引き続き使用することができます。
またJEM1425の廃止後も、JEM1499の内容に変更がないため、JEM1499の改正の予定はありません。
2. 運転連続性喪失区分(LSC)と仕切板等級
- Q2.1 運転連続性喪失区分(LSC)とは?
- A
通電状態において保守点検の為にアクセス可能なコンパートメントを明確にする標記方法です。
Loss of Service continuity Categoryの頭文字を取ってLSCと省略します。
JEM1425で規定しているスイッチギヤの形(項7.15)は構造の違いで区分しているのに対して、JIS C62271-200で規定しているLSCでは保守点検性という機能の違いで区分しています。
主回路が運転状態で作業者がアクセス可能なコンパートメントを記号化した標記方法となります。 - Q2.2 LSCの採用によりスイッチギヤ及びコントロールギヤは変化するのか?
- A
変化しません。
ただし、従来と標記は異なりJEM 1425(7.11.2)で規定されていたコンパートメントがJISC62270-200ではLSCとしてより明確に分類されました。(3.107,8.103.2,5.102.2)。それに伴い、シャッタ、仕切板、扉、カバーの構成は、一段積み/多段積み、及びLSCの等級によって変わってきます。詳しくは解説4.3a)~i) 解説図3を参照ください。 - Q2.3 シャッタや仕切板の材質の違いでコンパートメント形やメタルクラッド形を区別していたが、
どのような標記に変わりますか? - A
仕切板等級で標記します。
仕切板やシャッタの材質が全て金属製の場合「PM」、絶縁物など一部にでも非金属製を使用した場合は「PI」で区別します。 - Q2.4 JEM1425では主要機器が固定形、搬出形及び引出形に応じてスイッチギヤの形を区別していたが、JIS C62271-200ではどのように標記しますか?
- A
LSCでは主要機器の形態による標記はしません。
LSC標記では、主要機器の形態による分類はしませんので、アクセス性が同じであれば変圧器、C-GISなどの固定形遮断器、AISなどの引出形遮断器はすべて同一の扱いとなります。
主要機器の形態の標記が必要な場合は、例えば、単線図等の図記号で表現するなどしてください。 - Q2.5 用語の定義に「搬出形機器」が削除されている理由は?
- A
搬出形機器は固定形機器として扱われます。
JEM1425では、固定形機器と搬出形機器に分類して定義していますが、JIS C 62271-200では搬出形機器は車輪を持った固定形機器として解釈するため、搬出形機器に関する定義はありません。その為、削除しております。 - Q2.6 従来の1段積み又は多段積みキュービクル形は,どのようなLSC標記となりますか?
- A
「LSC1」となります。
LSC1はコンパートメント内にアクセスする場合に、母線を含めた主回路の停電が必要のため、キュービクル形のような構成はLSC1に該当します。 - Q2.7 従来のコンパートメント形やメタルクラッド形は、どのようなLSC標記となりますか?
- A
「LSC」と「仕切板等級」を組み合わせて標記します。
コンパートメント間に仕切りが設けられている盤に関しては運転連続性喪失区分(LSC)と仕切板等級を組み合わせた標記となります。
一例として従来の1段積みのPWであれば「LSC2B-PI」、MWであれば「LSC2B-PI」又は「LSC2B-PM」といった標記となります。 - Q2.8 従来のコンパートメント形やメタルクラッド形と、新しいLSC表記の、具体的な例を教えてください。
- A
以下表を参照してください。
- Q2.9 多段積み構成のコンパートメント形やメタルクラッド形の場合に、どのようなLSC標記となりますか?
- A
ケーブルコンパートメントの上下回路間に仕切を設けていない多段積み構成において、従来のコンパートメント形の場合は「LSC1-PI」、メタルクラッド形の場合は「LSC1-PI」又は「LSC1-PM」の標記となります。
多段積み構成のコンパートメント形やメタルクラッド形の場合、ケーブルコンパートメントは上下回路が共通のコンパートメントとなり、LSC2Bで定義する一方の回路を通電した状態で作業が行えないことから、等級としてはLSC1となります。
但し、「LSC1」の表記だと従来のキュービクル形と区別が難しくなる為、仕切板等級PI又はPMを付加して「LSC1-PI」又は「LSC1-PM」としています。 - Q2.10 JEM 1425 解説4.5.11では、「操作,点検などのために充電状態で止むを得ず開ける必要がある扉には,安全性を考慮して,主回路を隔離するためにJIS C 0920に規定する保護等級IP1X程度の“保護板”を設けることが望ましい」と記載がありましたが、JIS C 62271-200ではこの記載が消えています。保護板は不要になったのですか?
- A
JIS C 62271-200の解説では、充電状態で止むを得ず開ける必要がある扉に対して保護板を設けることの記載がありませんが、JEM 1425の考え方と同様に、安全性を考慮して、保護板を設けることをお勧めいたします。
3. 使用状態
- Q3.1 標準使用状態及び特殊使用状態でJEM 1425と異なる点は?(項2)
- A
各値は同じですが、追加項目があります。
標高2000m以上での指針(引用規格のJIS C 60664-1、低圧内部機器に適用)、汚損(引用規格のIEC60815、屋外に露出している碍子、碍管に適用)、振動、衝撃及び傾斜がIEC整合化により追加されております。 - Q3.2 全天日射を求められた場合に、日射によるW数はどれくらいを想定しているか?(項2.1.2)
- A
W値は1,050~1,180を想定しています。
詳細に関してはJIS C 60721-2-4の項5.1を参照下さい。 - Q3.3 屋外に暴露して使用する碍子はJIS C 62271-200に含まれるのか?(項2.1.2)
- A
対象に含みます。
屋外に暴露して使用する碍子は引用規格のIEC60815に従います。但し閉鎖配電盤内に使用する碍子には引用規格のIEC60815が適用されず、JIS C 3814, JIS C 3851等が適用されます。 - Q3.4 屋外用スイッチギヤの盤内に屋内用機器を用いる場合、
スイッチギヤ内部を屋内の環境状態に保つ対策とはどのようなことか?(項2.1.2.i) - A
外的要因に対して適切な対策を施した構造を示します。
屋根取り付けによる降雨対策、パッキンやフィルタ取り付けによる塵埃対策、遮熱板取り付けによる日射対策、スペースヒータによる結露対策などを施し、屋外に設置しても閉鎖箱内は屋内環境に近づける構造を示します。
4. 定格
- Q4.1 定格耐電圧にいくつかの表がありますが、どれを参照すればよいか?(項4.2)
- A
JEM 1425相当の場合は表1Aを参照願います。
IEC62271-200はJEM1425で規定している非接地系統に関する耐電圧値の記載はありませんが、JIS C62271-200では我が国の事情に合わせて、従来通りの耐電圧値を表1Aとして追加しております。
表1aは海外一般用、表1bは北米地域、表1Aは日本国内用としてご参照下さい。
5. 設計及び構造
- Q5.1 接地系統に接続されている金属製の閉鎖箱の部品は、接地導体と同等として扱えるのか?(項5.3)
- A
接合部が確実に導通していることが同等として扱える条件となります。
規格上での意味合いでは、金属製の閉鎖箱の部品が電気的に同電位となるように取り付けされていることが条件となります。塗装などの絶縁被膜がある場合は確実な導通は確保できないため、接触部の塗装を剥離するなどの対処が必要となります。 - Q5.2 銘板に記載する製造業者が指定する“形式”は、元々使用していた形式を記載しても問題ないか?(項5.10)
- A
問題ありません。
形式の表示に関しては、特定の規定はされていませんので、メーカ特有の形式、あるいはJEM 1459で規定されている形式を使用しても問題はありません。なお、ここでいう“形式”とは、JEM 1425のスイッチギヤの形(CWなど)とは異なります。 - Q5.3 インタロック装置において、制御回路を接続するマルチプルコネクタの扱いは
どのようになるのか?(項5.11) - A
機械的インタロックが望ましいですが、銘板による注意喚起でも可能です。
マルチプルコネクタを接続して電気的インタロックを構築している場合は、外すことで機能を損なう恐れがあるため、運転中は外せなくなるような機械的インタロックを追加するのが望ましいです。
IEC62271-200では必須項目ですが、JIS C62271-200では銘板による注記喚起を追加し、内容を緩和しておりますので、機械的インタロックは必須ではありません。 - Q5.4 表示方法で閉路状態「I」、開路状態「O」にするのが望ましいとあるが、
文字での開閉表示でも問題ないか(項5.12) - A
問題ありません。
IEC 62271-1で採用されている表示のため、海外ではこの表示が一般的です。
但し、必然ではないため、”ON-OFF”や”入-切”などの文字表示でも問題ありません。 - Q5.5 保護等級において、従来屋外盤に使用されてきたW(水の侵入に関する特殊コード)は
今後も使用できるのか(項5.13.2) - A
使用できません。
総則IEC62271-1では補足記号”W”に関する定義はありますが、JEM1425で規定している試験方法と内容が異なります。
JIS C62271-200においては、JEM1425の試験方法の採用により、補足記号”W”は削除しておりますので使用しないようご対応願います。 - Q5.6「屋内用スイッチギヤについては、IPコードの第二特性数字による水の有害な浸入に対する保護等級は規定されない。」とありますが、屋内用の場合は水に対して考慮する必要はないのですか。(項5.13.2)
- A
使用者からの要求がない限り、考慮する必要はありません。
屋内用スイッチギヤに関しては建屋内に配置され、雨水や風雨による影響を受けることがないことを前提としているため、水の有害な侵入に対する保護等級は規定していません。
但し、建屋の老朽化や天井面の結露による水滴の影響を受ける場合においては、使用者の要求に応じて適切な対策を講じて下さい。 - Q5.7 IKコードを指定された場合はどの様に性能を確認するのか(項5.13.3)
- A
外部より機械的衝撃を受けた際の性能を確認します。
例えば、IK07(屋内用スイッチギヤに適用)の場合、直径50mmの金属球を振り子、バネ、落下いずれかの手法を用いて2ジュールの衝撃を与え、性能に問題がないことを確認します。 - Q5.8 計器用変圧器等を収納した移動形機器は、JEM 1425と同様にシャッタを設けなくてもよいか(項5.103.3)
- A
必須ではありません。
主回路充電中に引き出すことがない計器用変圧器や避雷器を収納した移動形機器に関しては、シャッタの必然性はありません。但し使用者と製造業者との同意が前提となります。 - Q5.9 IEC 62271-200では内部アークに関する要求事項は必須と認識しているが、JIS C 62271-200にも該当するのでしょうか?(項5.101)
- A
内部アークに関する要求事項は必須項目ではありません。
JEM 1425では内部アークに関する要求事項は附属書で規定されていましたが、JIS C 62271-200ではIEC整合化に伴い、本文に格上げされています。但し、本項8.104.1にて「使用者が内部アーク事故対策を要求した場合には、IACを指定する。」としており、必須項目ではありません。
(ちなみにIEC 62271-200でも同様の記述があり、必須事項ではありません。)
6. 形式試験
- Q6.1 形式試験が3つのカテゴリに分類されているが、従来と運用がどの様に違うのか?(項6.1)
- A
a項は必須試験、b項は特有の機能を有する場合の必須試験、c項は任意のため必要に応じて試験を実施して下さい。
6.1 a)は基本性能を確認するのに必須の形式試験項目で、7項目すべて実施しなければなりません。
6.1 b) はC-GISやIAC等級など特有の機能を備えた盤に対して行う必須試験となります。8項目の内で該当する項目は実施しなければなりません。
6.1 c) は任意の試験項目であり必須試験ではありません。信頼性の確認や使用者からの指示に応じて実施して下さい。
- Q6.2 特殊な場合の絶縁試験において、複合電圧試験とあるが、どのような場合にどのような電圧を印加すればよいのか(項6.2.5.1b)
- A
対地間の試験電圧で同相極間の絶縁を確認する一つの手法です。
この複合電圧試験は、例えば電源側から対地間の試験電圧を正極で印加、負荷側より同相極間と対地間の試験電圧の差を負極で印加(正極とは別電源)することで、同相極間の絶縁性能を確認する方法です。
それ以外の複合電圧試験方法は6.2.5.2のa)を参照してください。
- Q6.3 VPIS、VIS、VDSとは何でしょうか?(項6.2.10)
- A
電圧の検出又は表示を目的とする装置の略称です。
VPISはVoltage Presence indicating System、VISはVoltage Indication System、
VDSはVoltage Detecting Systemの略となります。
- Q6.4 試験中の周囲温度は、+10℃を超え+40℃以下とするとあるが、従来JEM 1425で試験をしており、
周囲温度が規定値以下の場合は再試験が必要でしょうか。(項6.5.4) - A
原則、再試験が必要となります。
周囲温度の範囲を逸脱した際に補正する方法が不明確であり、一般的に屋内の環境は+10℃~+40℃の範囲は確保できることから、IEC 62271-1で規定されている温度範囲を採用しました。
但し使用者との協定によって、試験結果に影響を及ぼさないと判断した場合は、この限りではありません。
- Q6.5 電磁両立性試験(EMC)が追加されているが、必須項目でしょうか?(項6.9)
- A
必須試験ではありません。
主回路からのエミッション試験に関しては、123kVを超える機器に該当する試験項目のため、JIS C 62271-200では必要ありません。
補助回路のイミュニティ試験、エミッション試験に関しては、誤動作が懸念される場合に限り実施して下さい。
尚、詳細に関してはIEC 61000シリーズ、又はJIS C 61000シリーズを参照下さい。
- Q6.6 内部アーク試験を実施したい場合、どこに依頼すればよいでしょうか?(項6.106)
- A
公式な試験成績書が必要な場合には、国際短絡試験協会(STL)に加盟している試験機関へ直接依頼して下さい。
国際短絡試験協会(STL)は世界の主要な短絡試験場が参加する組織で、日本からは日本短絡試験委員会(JSTC)が参加しています。
試験機関リストに関してはJEMAのWebページをご参照下さい。
メンバ試験所
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/standard/jstc/laboratory.html
- Q6.7 補助回路の環境試験において、試験ユニットのグループを4つに分けた場合、最終状態点検は各グループの試験が終わったもので実施するとの考え方で良いでしょうか。(項6.10.5.7)
- A
問題ありません。
各グループの試験が完了した状態での確認試験実施で問題ありません。