電気温水器
電気防食型電気温水器の撤去工事時の事故防止 工事事業者様へのお願い
2007.05.21
社団法人 日本電機工業会
電気温水器専門委員会
電気温水器専門委員会では、電気防食型電気温水器の撤去工事を行うに際し、安全に作業して頂くため、工事事業者様へホームページにてお知らせいたします。事故の未然防止並びに作業者の安全確保のために、ご活用頂きますようよろしくお願い申し上げます。
1.電気防食型電気温水器について
電気防食型電気温水器は、(1)長期間使用しておらず、(2)タンクに水があり、(3)100Vの電気防食電源が入ったままでいると、タンクが破裂する危険性があります。電気防食型電気温水器はタンクのさびを防ぐために微弱な電流を流すため、電気分解によってタンク内の水が水素ガスと酸素ガスに分解されます。そのガスが長期間かけてタンク内に溜まり、溜まったガスにごく稀に電気防食棒からの放電により着火し、破裂事故を引き起こすためと考えています。
現在、事故の防止のため、社団法人 日本電機工業会加盟メーカーを中心に、電気防食型電気温水器の安全点検を展開しております。(平成9年7月31日と平成18年2月21日にはメーカー共同で新聞広告も実施しました。)
※電気分解により発生するガス量はわずかで、お湯を使用されていればお湯とともに給湯栓の蛇口から排出されてしまい、問題はありません。
※製造メーカーにより異なりますが、電気防食型電気温水器は昭和49年から平成4年の間にほとんどが製造されています。
2.電気防食型温水器の撤去時の事故について
先般、使用されてなかった電気防食型電気温水器の撤去工事 (電気温水器の買換え) で、給湯管の切断に使用したグラインダーの火花がタンク内に溜まっていたガスに引火して、タンクが破裂する事故が発生しました。
100Vの防食電源が通電されたままの温水器のタンク内部には、ガス(水素ガスと酸素ガス)が溜まっている可能性があり、そのガスに外部からの火気が引火しますとタンクが破裂し、人身事故に至る危険性があります。
3.電気防食型温水器の撤去作業方法について
撤去する際には、万一溜まっていたガスに引火することがないように、必ずタンク内に溜まったガスを排出させた後、工事を行なっていただきます様に、お願いいたします。
- 防食用100V電源は「OFF」にしてください。(専用スイッチ、共用スイッチ、差込みプラグ等)
- ご家庭や温水器の「止水栓」を開いた状態にし、「給湯栓」の蛇口 (浴槽or流し台) もしくは「給湯側逃し弁」を徐々に開いてゆっくりガスを排出させてください。
- この時、ガスを排出する場所で火気 (たばこ、ライター、ガス台の炎、静電気火花、電気器具のスイッチ等) は絶対にご使用しないでください。また、窓を開放しておいてください。
- タンク内にガスが溜まっている場合は、ガスが排出された後、水が出てきます。
- 水が勢いよく排出するようになれば、ガス抜きは完了ですので、「止水栓」を閉じてください。
長期間不使用の電気温水器のガス抜き (タンク内を満水にする) 方法
- 【1】防食用100V電源及び200V電源を「OFF」する。コンセントの場合は、差込みプラグを抜く。
- 【2】家庭の止水栓又は電気温水器の専用止水栓を開く。
- 【3】給湯蛇口 (浴槽or流し台のお湯側蛇口) もしくは給湯側逃し弁レバーを徐々に開いて、ガスを抜く。
- 【4】ガスと水が混じった状態から水だけが出るようになったら給湯蛇口や給湯側逃し弁を更に開く。
- 【5】気泡が完全に混じらない状態になったらガスの排出は完了で、給湯蛇口、給湯側逃し弁レバー及び止水栓を閉じる。
〔給湯側逃し弁レバー操作〕
- 【6】ガス抜き完了後、タンクの水抜きをしてください。
- タンク内の水を排水するために、給湯蛇口 (浴槽or流し台のお湯側蛇口) もしくは給湯側逃し弁レバーを開き、温水器の排水栓を開く。
- 排水栓から水が出なくなったら排水が完了。
〔給湯蛇口の開閉〕
- 【注意1】
- 火気厳禁 (たばこ、ライター、ガス台の炎、静電気火花、電気器具のスイッチ グラインダーによる配管切断時の火花 等)
- 【注意2】
- 室内での作業では、窓を開放しておく。
- 【注意3】
- 給湯蛇口からガスを抜く際は、給湯蛇口にホースを取り付け、水が溢れても問題のない場所で、水を入れたバケツの中にホースの先端を入れる
- 【注意4】
- 初めは配管中の水がしばらく出た後、ガスと水が混じって出てくるので、蛇口等の開け方を調整しながら徐々に排出する。